関西大学の労基署申告への報復的解雇裁判関連資料(1)新聞記事
□労基署に申告の教諭解雇 関大の違法残業是正勧告で
日経新聞 2018/4/27 20:31
学校法人「関西大学」(大阪府吹田市)が付属校の教諭約50人に違法残業をさせたなどとして茨木労働基準監督署から是正勧告を受けた問題で、違法残業について労基署に申告した50代の男性教諭を同法人が解雇したことが27日、分かった。解雇は26日付。同法人の担当者は「個別の案件が理由で、申告とは無関係」と説明している。
男性は高等部・中等部・初等部の教員組合で中心的な役割を担っていた。組合によると、昨年3月に茨木労基署に申告し、同10月に法人から「生徒指導の際に声が大きい」などの理由で自宅待機を命じられたという。
組合は「正当な理由がなく、不当解雇だ」と訴えている。
茨木労基署は、労使協定(三六協定)を結ばずに1日8時間の法定労働時間を超えて残業をさせたなどとして、昨年4月と今年3月に是正勧告をした。〔共同〕
□労基署に申告の教諭解雇 関大、時間外労働巡り勧告
朝日新聞デジタル 波多野陽 2018年4月27日14時17分
学校法人「関西大学」(大阪府吹田市)が付属校の時間外労働をめぐり、労働基準監督署から是正勧告を受けた問題で、労基署に実態を申告した教諭が解雇されたことがわかった。労働基準法は申告を理由とした解雇を禁じているが、法人は「申告とは無関係」と説明。教諭は「申告を理由とした不利益な取り扱いだ」と反発している。
26日付で解雇されたのは、関西大学初等部・中等部・高等部(同府高槻市)の教諭だった50代男性で、教員の組合で中心的に活動していた。
茨木労働基準監督署は、法人が1日8時間を超えて働かせる場合に必要な労使間の取り決め(36協定)を結ばずに同校の教諭に時間外労働をさせていたなどとして、2017年4月と今年3月、是正勧告をした。
法人が教職員61人分のパソコンの使用状況を調べると、1日の労働時間が8時間を超えたことのある人が52人いた。中には超過分が年間2千時間を超えた人もいたという。
教諭や組合によると、教諭は17年3月に時間外労働の実態を労基署に申告。同年10月に、法人から自宅待機を命じられていたという。
法人は取材に対し、「解雇は本人の問題によるもので、学内の公正な手続きの結果だ」として、申告とは無関係としている。教諭と組合は「解雇につながるような行為はしていない」と批判している。(波多野陽)