【主張】労働法改正の早期成立を
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2020/1/23 05:07 (JST) ©株式会社労働新聞社
今月20日から2020年の通常国会がスタートした。労働関連分野では、70歳までの就業機会確保策の強化、マルチジョブホルダーに対する保護強化などに関する法改正を予定している。少子高齢化とライフスタイルの多様化が進むなか、全世代型社会保障を実現し、安心できる社会を形づくるための基盤となるはずである。
基本的には反対できない法改正が揃っていると考えられるため、いずれも与野党対立法案とはならない見通しである。建設的議論を重ねた上で、スピーディーに成立を図って欲しい。
昨秋の臨時国会は、安倍総理主催の「桜を見る会」がマスコミで取り上げられ、その追及に終始した。野党側は、今通常国会においても「桜を見る会」に関連する問題を取り上げるとみられるが、わが国にとって決して生産的とはいえない議論であり、受け入れられない。
他方で、労働法改正審議は厚生労働委員会において着実に前進させる必要がある。数年後に「団塊の世代」が75歳に達し、後期高齢者が一気に拡大することが確実となっている。75歳以上の人口増加率は、21年の前年比0.5%増が、22年には同4.1%増に跳ね上がる。
副業の実態をみると、17年の時点で、副業を有している者と希望する者の合計が700万人近くに達し、その数は増加しつつある。企業が兼業・副業を認めていない理由としては、「過重労働への懸念」「労働時間の管理・把握の困難さへの懸念」が多く、これらを払拭できる仕組みが急務である。
20年の通常国会は、「働き方改革」が引き続き柱の一つとなろう。全世代型社会保障の実現で安心できる社会を形成するには、多様な選択肢の下で誰もが意欲的に働くことのできる仕組み作りが求められる。70歳までの就業機会確保とマルチジョブホルダーの労働環境改善は大きな力となるはずだ。
社会や雇用環境の急速な変化に対応しつつ、生産性向上と経済規模拡大に資する労働関係法改正の歩みを加速すべきである。