フルキャスト再び事業停止命令 

2008年09月29日 共同通信配信

 10月にも、全支店に1カ月
 厚労省命令無視し派遣

厚生労働省は二十九日までに、日雇い派遣大手のフルキャスト(東京)が、昨年八月に同省が全支店の事業停止を命令した期間中に命令を無視して派遣を続けたとして、十月初めにもフルキャストの全支店に二度目の事業停止命令を出す方針を固めた。

期間は一カ月間の見通しで、期間中は新たな派遣契約が結べなくなる。同省は同時に事業改善命令も出して報告を求める方針。フルキャストの弁明を聞く手続きを進めている。

違法派遣を繰り返したグッドウィルが今年七月末に廃業した後、フルキャストは日雇い派遣最大手となっていた。登録する派遣労働者のうち一日八千から九千人が稼働、労働者の雇用にも影響が予想される。

厚労省東京労働局は昨年八月、フルキャストの神戸市にある三支店が労働者派遣法で禁止されている港湾での荷さばき業務に労働者を派遣したとして、三支店に二カ月間、三支店を除く全国三百十三支店(昨年六月末時点)に一カ月間の事業停止を命令していた。

厚労省などによると、その間に同社は百二十一支店で、計九百六十一件の新たな労働者派遣をしていたという。

同社広報室は「関係者に多大なご迷惑、ご心配を掛けたことを心よりおわびします」とのコメントを発表した。

同社をめぐっては、労働者派遣法で禁止されている警備業に労働者を派遣したとして、宮城県警が昨年十月、同法違反容疑で書類送検した。

また厚労省からの事業停止命令を受け、宮城県などはプロ野球楽天の本拠地、宮城球場(仙台市)の命名権契約を解消した。

この記事を書いた人