JAL不当解雇第1回口頭弁論

 パイロットと客室乗務員を整理解雇した日本航空に対し、146人の原告団が不当解雇撤回・原職復帰を求めている裁判で、パイロット74人の原告の第1回口頭弁論が3日、東京地裁で行われました。 103号大法廷の傍聴席は、原告席に座りきれないパイロットと、支援者によって埋め尽くされました。 意見陳述で、乗務歴36年の機長・飯田祐三さん(58)は、「シンガポール便から帰着し、2日後にフライト予定をはずされた。乗務資格を失い、解雇で脅して退職強要を受け、絶望感を受けた」と述べました。そのうえで、「整理解雇という事態は、安全運航の基盤を根底から覆すことを指摘せざるを得ない」と不当な解雇を批判しました。 原告代理人の船尾徹弁護士は、日航が昨年12月までに1586億円もの営業利益をあげ、人員削減目標も200人超過達成しており、稲盛和夫会長が「160人を残すことは、経営上不可能ではない」と認めていると強調。「正義と道理にもとづいて公正な司法判断をすみやかに示してほしい」と訴えました。 日航側は、提出した準備書面のなかで、将来のリスクに備えるために早く人員削減を行う必要があったと主張。年齢の高さを解雇基準としたことについては、年齢に関係なくライセンスを持っていれば安全運航を阻害しないとのべ、ベテランの持つ経験の重要性をまったく理解しない立場を示しました。 東京地裁前と国土交通省前では、国民支援共闘会議が宣伝行動をおこない、空の安全と労働者の権利を守るため、解雇された165人を職場復帰させるよう訴えました。 次回口頭弁論は4月18日に、客室乗務員の第1回口頭弁論は11日に、それぞれ行われます。(しんぶん赤旗)

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