経営再建中の半導体大手ルネサスエレクトロニクスに対し、支援を検討している官民ファンドの産業革新機構が3千〜5千人の従業員を追加で削減するよう要請したことが27日、分かった。
ルネサスが9月に募集した早期退職には約7500人が応募。しかし、世界的な景気減速で半導体市場は冷え込んでおり、再建を確実にするためには、さらなるリストラが不可欠と判断した。
革新機構は設立母体で大株主の日立製作所、三菱電機、NECの3社にルネサスの退職者の引き受けも求めるもようだ。ただ、NECが今年度上期にグループで約1万人を削減するなど大株主3社も合理化を進めており、受け入れに応じるかは不透明だ。
革新機構はトヨタ自動車やパナソニック、キヤノンなど大手企業と総額約2千億円を出資する支援案を、ルネサスの大株主や主力取引銀行に提示し、交渉中だ。銀行などには融資の返済期限を遅らせることも求めているもようだ。今後、大株主や主力取引銀行などと出資額や追加リストラなどの再建策の詳細を詰め、来月にも合意する見通し。
ルネサスは前身企業時代も含め、平成24年3月期まで7期連続の最終赤字。大株主3社と主力取引銀行から資金支援を受け、国内工場や人員の削減を柱とした合理化を進めている。