ワタミ社員(右)に、(中央)と、美菜さんの遺影を抱える祐子さん(左)=9月20日、東京都大田区
【牧内昇平】ワタミグループが展開する居酒屋チェーン「和民」に勤めていた娘を過労自殺で失った両親が、死後4年以上たった今も、「娘はなぜ死んだのか」と会社に問い続けている。自分と同じ思いをする人をなくしたい。それが、過労死遺族の思いだ。
■両親「再発防ぐため」
「誰が、何が、娘を死に追いやったのか。ワタミは説明していません」
9月20日、東京都内のワタミ本社。過労自殺した森美菜さん(当時26)の父豪さん(64)が、ワタミ経営陣との面会を求める申入書を、社員に向かって読み上げた。娘の遺影を抱えた母祐子さん(58)が、険しい表情でうなずいた。
申入書には「私たちの時間は止まったままです」と書いた。「娘を死に至らしめたワタミの業務の実態を明らかにしなければ、再発防止はありえない」と豪さんは話す。
美菜さんは2008年6月12日早朝、社宅近くのマンションから投身自殺した。ワタミの子会社に入社し、神奈川県横須賀市の「和民」で働き始めてから約2カ月後のことだ。
美菜さんの日記や、会社から取り寄せた勤務記録を見て、夫妻は驚いた。連日午後3時前に出社し、平日は午前3時半、週末は朝6時まで働いていた。休日も朝7時からの研修会への参加を求められ、リポートも提出しなければならなかった。手帳には「誰か助け%A