http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130817-00000005-mai-soci
毎日新聞 8月17日
法令を無視した労働を強いる「ブラック企業」の対策に厚生労働省が乗り出す中、残業代の不払いや雇い止めといった「ブラックバイト」の被害に苦しむ大学生たちが、個人加盟の労働組合「首都圏学生ユニオン」を今月にも結成する。店の売り上げのノルマ達成に協力するため自腹を切らされるケースもあるといい、若者が協力し合って問題解決を目指す。【東海林智】
法政大の岩井祐樹さん(20)は、高齢の祖母と父との3人で暮らす。祖母は体調を崩し父も病気で働くことが難しい。家事をこなしながらアルバイトで学費をまかなおうと大手スーパーで働き始めたのは昨年8月だ。
ところが、職場では理不尽なルールがまかり通っていた。仕事の準備や片付け、着替えなどに10分以上かかることが多いのに、「就業前10分以内、終業後10分以内」にタイムカードを押すよう要求された。
10分を超えると、「間違えた」ことにして訂正するよう求められた。労働基準法によれば、残業代は1分から付く。10分以内の残業代が一方的にカットされることにも納得ができなかった。岩井さんは若年者を中心とした労働組合「首都圏青年ユニオン」に加入。団体交渉の結果、不払い残業代7614円の支払いを約束させた。
しかし組合に加入したためか、今度は「勤務態度が悪い」との理由で2カ月ごとの契約更新を拒否され、雇い止めに遭った。仕事を失えば大学に通うことも難しくなる。現在はバイト仲間の不払い残業代の支払いを求める一方、自身の解雇撤回に向け交渉を続けている。
同ユニオンによれば、岩井さん以外のバイト学生からも「コンビニの売り上げに協力するために大量のおでんを買わされる」「辞める時に制服を買い取らされた」などと被害を訴える声が相次ぎ、学生組合員が増加。労組結成に向けて準備を進めることになったという。労働法の勉強会などを続け、大学生と大学院生約40人で月内の結成を目指す。
学生を支援してきた同ユニオンの神部紅(じんぶ・あかい)事務局次長は「ブラック企業から身を守る術を身につけるためにも重要な取り組み」。代表に就任予定の岩井さんは「学生は職場では弱い立場に置かれているが生活がかかっている。おかしいことはおかしいと言いたい」と話す。
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首都圏青年ユニオン
(東京公務公共一般労働組合 青年一般支部)
山田 真吾
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