http://mainichi.jp/select/news/20130821k0000e040257000c.html
毎日新聞 2013年08月21日
漫画雑誌の写真(省略)
秋田書店が漫画雑誌の読者プレゼントで景品数を水増し掲載していた問題で、景品を盗んだとして解雇された元女性社員は、取材に不正を把握した経緯や「手口」を証言した。
女性は2007年に大学を卒業して同社に入社。「ミステリーボニータ」編集部に配属され、「プチプリンセス」の編集にも携わった。プレゼント欄を担当するよう指示され、先輩から業務を引き継いだ。
プレゼントの予算はボニータが各号約8万円、プチプリンセスが約13万円。毎回、編集長と相談してメインの景品を決め、量販店などで商品を購入したうえで、それを撮影して雑誌に載せた。商品が1点しかない場合でも雑誌で「2名様」や「3名様」にプレゼントなどと紹介。告知されたプレゼント数に対し用意された数は1〜2割程度のケースが多かった。告知数に対し約10倍の応募があった。
当選者を発表する際も、実際の商品が送られる読者以外は、都道府県と氏名を全て担当者が捏造(ねつぞう)。特定の都道府県に「当選者」が偏ったりしないよう注意点の引き継ぎも受けたという。
女性は「読者に申し訳ない思いで、本当に嫌だった」と語り、「プレゼントの数に多少の違いはあっても全誌で何らかの不正はあった。秋田書店はきちんと反省して出直してほしい」と話している。【東海林智】