朝日新聞 2014年2月19日
2013年に労働者1人が月々もらった現金給与総額は平均31万4054円で、前年を73円下回った。厚生労働省が18日発表した毎月勤労統計調査(確報)でわかった。5日発表の速報では前年をわずかに23円上回り3年ぶりに増えたとしていたが、一転、3年連続の下落となった。比較可能な1990年以降では、過去最低の水準となる。
現金給与総額は、パートを含む労働者が受けとる基本給に残業代とボーナスを合わせたもの。確報で下落したのは、賃金の低いパートの比率が速報よりわずかに増え、平均額が下がったためだ。前年と比べた増減率は0・0%で速報段階と同じだった。
物価が上がった分をのぞく実質賃金指数は0・5%下がり、2年連続のマイナス。物価上昇に賃金が追いつかない状況について、安倍晋三首相は17日の衆院予算委で「景気の実感を行き渡らせ、賃金上昇に結びつける過渡期にある。経営者が収益改善を賃金上昇に結びつけることを期待している」と語った。(山本知弘)