http://www.nikkei.com/article/DGXLASGM10H34_Q6A210C1EAF000/
日本経済新聞 2016/2/10
【マンチェスター(米ニューハンプシャー州)=川合智之】9日の米大統領選ニューハンプシャー州予備選で民主党のバーニー・サンダース上院議員(74)が勝利したのは、若者層の圧倒的な支持を獲得したためだ。共和党では1日のアイオワ州で敗れた不動産王ドナルド・トランプ氏(69)が復活勝利。事前の世論調査で10ポイント以上の差をつけた勢いを結果につなげた。
小学校に設けた投票所に並ぶ有権者(ニューハンプシャー州マンチェスター)省略
投票は9日午前0時(日本時間午後2時)から州内各地で順次始まった。最大都市マンチェスターの小学校に設けた投票所では、前日に積もった雪が残るなか、投票用紙を受け取るため住民が列をつくった。
米CNNテレビの出口調査によると、30歳未満では8割以上がサンダース氏に投票した。投票所では手書きの旗を掲げた若い支援者が、サンダース氏への投票を呼びかけていた。
ニューハンプシャー州は人口の約9割が白人で、リベラル層が多いことで知られる。サンダース氏はリベラル層が支持基盤で、地元バーモント州にも近く、優位に選挙戦を進めた。
サンダース氏は1日のアイオワ州ではヒラリー・クリントン前米国務長官(68)に0.2ポイントの僅差で敗れたが、ニューハンプシャー州の直近の各種世論調査ではサンダース氏が9〜26ポイント上回っていた。
クリントン氏と同様、アイオワ州で首位だった共和のテッド・クルーズ上院議員(45)も厳しい戦いとなった。クルーズ氏はキリスト教保守派が主な支持層だが、ニューハンプシャー州は宗教色が薄いためだ。
クルーズ氏とともに、共和主流派のマルコ・ルビオ上院議員(44)やオハイオ州のジョン・ケーシック知事(63)、ジェブ・ブッシュ元フロリダ州知事(62)が激しく競り合った。