関西電力が、去年末までの2年間で1万人を超す従業員に対して、合わせて17億円近くの時間外労働の賃金を支払っていなかったことが、関係者への取材でわかりました。関西電力では、去年自殺した管理職の男性が過労死に認定されていて、労働局は勤務の詳しい実態を調べることにしています。
関西電力は、去年4月、福井県の高浜原発の運転延長をめぐり、原子力規制委員会の審査に対応していた管理職の40代の男性社員が自殺し、その後、労災と認定されたほか、去年12月には、従業員に対する時間外労働の賃金の未払いがあったとして、労働基準監督署から是正勧告を受けました。
このため関西電力は、すべての従業員2万2000人余りを対象に調査した結果、去年末までの2年間に従業員およそ1万3000人に対し、時間外労働への割り増し賃金や深夜手当の未払いが、合わせて17億円近くに上ることが、関係者への取材でわかりました。
関西電力も今回の賃金の未払いについて認めているということで、労働局では従業員の勤務の詳しい実態を調べることにしています。