産経ニュース 2017年9月2日
http://www.sankei.com/politics/news/170830/plt1708300026-n1.html
連合の神津里季生会長
民進党最大の支持団体である連合の神津里季生会長が、党代表選(9月1日投開票)を機に共産党との共闘路線を見直すよう牽制(けんせい)している。30日の講演では、10月に行われる3つの衆院補欠選挙をめぐり、民進、共産両党による選挙協力に否定的な見解を示した。「反共産」が旗印の連合の歴史を踏まえれば、代表選を通じ共闘路線の修正を図りたいところだ。
「連合は(労働運動から)共産党の影響を排除するために闘ってきた。労働運動は共産主義革命のためにあるわけではない」
神津氏は講演で、共産党への強い忌避感をあらわにした。さらに補選での対応について「(共産党と)同じ事務所で一緒にやりましょう、なんてことはありえない」とも言い切った。
次期衆院選などの選挙協力は「選挙をどう戦うかという中で、いろんなことがあるのも事実だ」と一定の理解を示した。ただ、民進党の姿勢には「共産党に頭を下げて『票を下さい』といっているようにみえる」と苦言を述べた。
代表選では前原誠司元外相(55)が、民進、共産など4野党首の選挙協力の合意について「是非も含め見直す」と言及した。対する枝野幸男元官房長官(53)は共闘路線の継承を掲げ、両候補の違いが際立っている。
神津氏は、両氏のどちらが代表にふさわしいか明言は避けた。ただ前原氏が会長を務め、社会保障政策のあり方を探る党内の調査会「尊厳ある生活保障総合調査会」にわざわざ言及し、期待感をにじませた。
連合傘下の労組では、民間系の自動車総連などが前原氏を支持する一方、民共連携に前向きな自治労など官公労系は枝野氏の支援に力を入れている。神津氏にとっては連合内の路線対立も悩みの種となっている。