常勤医8%、1カ月休みゼロ 医師アンケート

 朝日2017年11月10日

http://digital.asahi.com/articles/ASKC94W03KC9ULBJ00B.html

写真・図版(省略)

勤務医アンケート

常勤医師の約8%は1カ月の休日ゼロ――。全国医師ユニオンなどが9日、勤務医に実施したアンケート結果を公表した。当直をする勤務医の7%が過労死ラインとされる月80時間の時間外労働を超えていたなど過重労働の実態が浮き彫りになった。
 ユニオンや日本医療労働組合連合会(医労連)が学会や自治体を通じて今年7〜9月に得た約1800人の回答のうち、約1600人分を分析した。直近1カ月の休みを聞くと、常勤医の8%はゼロと答えた。
 当直をする常勤医の時間外労働は、月平均で約64時間だった。当直後に休みなく通常の勤務を始める医師は78%。こうした勤務で集中力や判断力が低下すると回答したのは79%で、27%は実際にパソコン入力などのミスが増えたとした。
 長時間労働の上限を設けるなどの労働時間規制について聞くと、約半数が賛成とした。こうした改革によって労働環境が改善すると思うかを聞くと、57%が「ほとんど改善しない」と回答。理由としては「医師不足で診療体制を維持できない」「現場で法律が守られない」「医師を労働者と考えない風潮が強い」などが多かった。
 全国医師ユニオンの植山直人代表は「非常に深刻な状況。何よりも完全な休日が必要で、休日ゼロは本人の健康と医療安全上、大きな問題だ」と話している。
 ほかに診療科の偏在についても聞くと、93%が偏在と労働環境に関係があると答えた。自身の診療科を決める際、労働環境が関係したかの問いに、関係ないと答えたのは20代では34%、30代は60%。40〜60代は7割を超し、年齢が上がるほど無関係とする割合が高かった。
 外科、救急科、産婦人科などは特に労働環境が厳しいとされる。植山さんは「労働環境の改善と併せて、早急に診療科別の偏在対策が必要だ」と話す。最終報告は来年1月にまとめる予定という。(野中良祐)

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