在留資格取り消し倍増 18年832件 技能実習など管理厳格化
https://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201908/CK2019082102000125.html
2019年8月21日 朝刊
写真・グラフ
出入国在留管理庁は二十一日付で、入管難民法に基づく二〇一八年の在留資格取り消し件数を発表した。管理を厳格化した新制度適用や取り締まり強化で、過去最多だった前年の三百八十五件から二倍以上の八百三十二件へと大幅に増加した。資格別では「留学」が百七十二件から四百十二件に、「技能実習」が八件から十九倍の百五十三件に急増。この二つで全体の七割近くを占めた。
来日外国人を巡っては、就労目的と知りながら留学名目で受け入れる教育機関の存在や、低賃金や長時間労働を理由に技能実習生の失踪が相次いでいる。政府は外国人の資格外活動の取り締まりとともに、悪質な教育機関や実習生受け入れ先の排除を進める方針。
入管庁によると、留学生が学校を除籍された後にアルバイトをしていたり、実習先から失踪した技能実習生が別の場所で働いていたりしたケースがあった。偽装結婚を含む「日本人の配偶者等」の資格取り消しも八十件あった。国籍・地域別では、ベトナムが全体の半数の四百十六件で最多。中国百五十二件、ネパール六十二件、フィリピン四十三件と続いた。
認められた在留資格に基づく活動を一定期間以上していない場合、資格は取り消される。一七年からは、期間に関係なく、資格に基づく活動をせず、別の活動をしている場合も取り消される新制度の運用が始まった。入管庁の担当者は「新制度の積極運用で取り消しが増えた。今後も力を入れていく」と話している。
在留資格は、虚偽の書類提出など在留資格に疑義が生じた場合、本人の意見を聴いた上で法相か委任を受けた地方出入国在留管理局長が資格を取り消すかどうか判断する。取り消されると強制退去などとなる。