千葉県の旧水道局員500人に残業代不払い 計3850万円分、過少申告強要はなし
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毎日新聞社 2019年8月30日 10:31
記事まとめ
千葉県の旧水道局職員500人に、少なくとも計3850万円分の残業代不払いがあった。
残業する場合、残業時間を上司に申告する仕組みだったが、申告漏れや申告外の残業の把握ができていなかったという。
残業時間の過少申告を強要するなどのケースはなかったとしている。
千葉県の旧水道局、500人に残業代不払い 計3850万円分
千葉県庁=千葉市中央区で2019年2月22日、町野幸撮影
千葉県は29日、今年4月に企業局に統合された旧水道局の職員500人に対して、少なくとも計3850万円分の残業代の不払いがあったと発表した。労使協定(36協定)で定めた上限を超える時間外労働があったとして労働基準監督署から是正勧告も受けていた。9月補正予算案に追給分を計上する。
県企業局総務企画課によると、今年2、3月、本局と出先機関の千葉水道事務所が千葉労基署の立ち入り調査を受けた。本局の今年1〜3月分、同事務所の昨年11月〜今年1月分について、県が労働時間を調査して残業代を正しく支払うよう指導された。3月には、船橋水道事務所で36協定で定めた上限の月45時間を超える時間外労働があり労働基準法に違反したとして船橋労基署から是正勧告を受けた。
これを受け、県は、水道局(出先機関を含む)の管理職を除く全職員903人のパソコンのログデータなどをもとに実際の勤務時間を調べた。すると、半数超の500人に対して月平均9・1時間、計1万4046時間分の残業代の不払いがあることが判明。この残業代の不払い額は計3850万円分に上る。
月の不払い額が最多の職員には月106時間分の約29万円の残業代が支払われていなかった。一部は残業代が支払われていたものの最長で月191時間残業をしていた職員もおり、36協定で定める上限の月45時間を超えて残業した職員は延べ161人に上った。
水道局では、職員が残業する場合、当日中に残業時間や業務内容を上司に申告して許可を受け、翌日に上司が勤務認定を行う仕組みだった。
千葉県の旧水道局、500人に残業代不払い 計3850万円分
同課はこの日、記者会見を開き、「申告がなかったり申告した以上の残業を上司が正確に把握できていなかったりした」と釈明。聞き取り調査に、職員は「36協定で収まるように時間外勤務を抑えようとする雰囲気があった」「『ノー残業デー』に申告することにためらいがあった」などと理由を話したという。勤務時間の過少申告を上司から強要されたり、上司が申告外の残業に気づきながら勤務認定したりしたケースは確認できなかったと説明している。今年4月からは勤務認定を実際の労働時間に則したものとなるよう仕組みを改めたという。【町野幸】