米GMスト、長期化の様相=EV戦略への懸念も一因 (9/26)

米GMスト、長期化の様相=EV戦略への懸念も一因
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2019/09/26(木) 7:20配信 時事通信

米GMスト、長期化の様相=EV戦略への懸念も一因
米自動車大手ゼネラル・モーターズ(GM)の工場の外でピケを張る全米自動車労組(UAW)の組合員=17日撮影、米テキサス州(EPA時事)

 【ニューヨーク時事】米自動車大手ゼネラル・モーターズ(GM)の工場従業員らによる全面ストが長期化の様相を呈している。

 賃金や医療費負担の水準など労働条件をめぐる旧来の争点に加え、電気自動車(EV)重視の経営戦略に対する労働組合の懸念も対立が長引く一因となっている。

 GMと全米自動車労組(UAW)は、4年に1度の労使協約の改定で折り合えず、31工場に勤務する組合員約4万6000人が12年ぶりとなる全面ストに突入。ストは25日で10日目を迎えた。前回の2007年のストは2日間で収束したが、今回は労使とも落としどころを見いだせていない。

 スト長期化の背景にはコスト削減への経営陣の強い意志があるが、同社が進めるEV戦略も労使交渉に影を落としている。バーラ最高経営責任者(CEO)は「完全な電動化の未来」を掲げ、23年までに計20車種のEVと燃料電池車(FCV)を投入する方針。しかし、ガソリン車に比べてエンジンや変速機といった部品が大幅に減るEVへの転換は、雇用減少など「破壊的な影響」(UAW)をもたらすとみられている。

 会社側は閉鎖を決めたオハイオ州の完成車工場にEV用電池工場を新設する案を提示したものの、UAWは受け入れていない。「(EV時代の到来で)どれだけ雇用が維持されるかが(UAWの)真の懸念材料だ」(アナリスト)とも指摘される。今回のストには、次世代車への転換を進める自動車業界の雇用の将来を占う意味合いもありそうだ。  

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