早期退職者6年ぶり1万人超 上場企業リストラ加速の背景
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日刊ゲンダイ 公開日:2019/10/12 06:00 更新日:2019/10/12 06:00
〔写真〕さっさと辞めるのも手か(写真はイメージ)/(C)日刊ゲンダイ
人手不足が深刻な中、上場企業の大規模リストラがお盛んだ。東京商工リサーチは9日、今年1〜9月に希望・早期退職者を募集した上場企業が27社に達し、対象人数は1万342人と、6年ぶりに年間1万人を超えたと発表した。なんとリーマン・ショック後の2010年の1万2223人を超す勢いなのだ。
最多は富士通の2850人で、ルネサスエレクトロニクス(約1500人)、ジャパンディスプレイ(約1200人)、東芝(約1060人)が続く。
27社のうち約7割に当たる18社は直近決算(通期)が赤字か減収減益と業績不振だった。業績不振でリストラは分かるが、一方で、カシオ計算機やキリンHDなど業績が堅調な企業も早期退職者を募集している。将来を見据えて、今のうちに人員を削減する「先行実施型」である。
人手不足なのに、なぜ今、リストラなのか――。東京商工リサーチ情報本部の二木章吉氏が言う。
「バブル期に大量採用した企業は、40〜50代社員が突出して多い“逆ピラミッド”の年齢構成になっていて、若返りが課題。現在、人手不足で転職がしやすい環境です。そこで、今のうちに、早期退職を募集して、いびつな年齢構成を是正しておこうという企業も少なくないのです」
転職先が豊富なら、早期退職も悪くない。早期退職は退職金割り増しなど特典が付くことが多いからだ。
会社が突き付ける早期退職者募集の中に、チャンスを探すのも面白い。