上司からパワハラ、慰謝料2000万円で和解 原告側「今後の被害抑止につながる」 福岡高裁
https://mainichi.jp/articles/20191210/k00/00m/040/178000c
毎日新聞2019年12月10日 19時16分(最終更新 12月10日 19時22分)
〔写真〕福岡高裁などが入る庁舎=平川昌範撮影
長崎市の広告制作会社に勤務していた男性(47)が、上司のパワハラや長時間労働で精神疾患になり休職を余儀なくされたとして、損害賠償などを求めた訴訟の控訴審が10日、福岡高裁(岩木宰裁判長)であり、会社が男性に慰謝料2000万円を支払うなどの内容で和解が成立した。
男性側代理人の中川拓弁護士によると、パワハラ訴訟の慰謝料としては異例の高額。中川弁護士は「パワハラや長時間労働の被害に、会社が重い責任を負っていることが示され、今後の被害抑止につながる」と指摘した。
1審・長崎地裁判決(2018年12月)によると、長崎市の広告制作会社「プラネットシーアール」でデザイナーとして働いていた男性は13年3月に着任した上司から長時間にわたる執拗(しつよう)ないじめ行為を受けて自殺を考えるようになり、14年7月に休職、16年1月に労災認定を受けた。判決は損害賠償(計約300万円)や未払い賃金など計約2000万円の支払いを命じ、会社側が一部を不服として控訴していた。
男性は「親会社を含め、会社は法律を守り、今いる従業員が安心して働けるよう生まれ変わってほしい」と話し、会社は「今後とも法令を順守し、労働者の労働環境を守りながら、業務を行ってまいります」などとコメントした。【樋口岳大】