離島でがんになった看護師 通院1回に交通費3万円近く (2/5)

離島でがんになった看護師 通院1回に交通費3万円近く
https://www.asahi.com/articles/ASN234PSRN1WULFA00J.html
朝日新聞 堀内京子 2020年2月5日 7時30分

がんでも働く?
がんだと分かったとき、どの病院に行くか。進んだ治療や名医の情報を集めても、離島やへき地に住んでいたら、望む医療にたどりつくまでのハードルは一気に高くなる。

がんでも働く? 非正規社員、独り身のがん闘病 貯金や有休使い果たす

重い負担 通院断念する人も
沖縄・那覇から400キロ以上離れた石垣島に住む西垣みゆきさん(51)は、看護師として働いていた4年前、職場の健康診断で乳がんの疑いが濃厚だと告げられた。しかし、診断できる専門医が那覇から来るのは2週間後。十分な治療が受けられないと考え、沖縄本島の専門病院を予約した。検査、検査の結果説明、入院のための説明と、入院までに数回、病院に行く必要があった。術後も放射線治療とホルモン治療で5年間の通院が必要だと言われた。
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〔写真〕専門病院での検診を受けるために、石垣島から那覇へ飛行機でやってきた西垣みゆきさん=那覇市

 安い飛行機チケットを予約しても、一度の通院に交通費だけで3万円近くかかる。宿泊費もかさむため、その都度、友人や親戚の家に泊めてもらった。
同じ石垣島に住む患者仲間が、治療の途中で病院に来なくなることがあった。「なぜ5年の治療を続けきれないのか」と思ったが、交通費の負担が重いことが理由だった。「せめて陸続きだったら。もっとお金があれば」

■不十分な補… 

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