40代のリストラ加速。人手不足は大嘘で、超低賃金の単純労働者だけを求める日本社会=今市太郎
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Money voice 2019年10月15日ニュース
40歳からの早期退職が猛烈に加速するご時世を見ていますと、労働力不足は大ウソで、実際には低賃金で長時間働いてくれる人材や建設関係の労働力、介護にかかわる労働力などが圧倒的に不足しているだけであることがわかります。(『今市太郎の戦略的FX投資』今市太郎)
※本記事は有料メルマガ『今市太郎の戦略的FX投資』2019年10月7日号の抜粋です。興味を持たれた方は、ぜひこの機会にバックナンバー含め初月分無料のお試し購読をどうぞ。
ほかの会社では通用しない。サラリーマンの「一生働く」は困難に
労働市場に嵐が吹き荒れる
大型台風の通過、皆さまの周辺には大きな被害がありませんでしたでしょうか?
昔から台風の被害というものはそれなりに発生する国であったわけですが、世界の気候が大きく変動してこれだけ次から次へと巨大台風が通過して甚大な被害がもたらされる時代が到来するとは夢にも思いませんでした。
しかし、この国の労働市場と労働環境のほうも巨大台風以上に夢にも思わない状況が到来しているようで、この国に暮らしていく我々はここからの人生にこれまでにないような覚悟をもって臨む必要がでてきているようです。
台風一過に読んで楽しいメルマガにはなっていませんが、今回は国内の労働市場の激変についてお送りしてみたいと思います。
とうとう40歳からのリストラも登場
国内企業はこれまで昭和、平成はなんとか終身雇用を維持することができたことから、潜在的に500万人はいるのでは?とされてきた大手企業を中心とした社内失業者たち。
それがいよいよ外部に放逐される時代がやってきたようで、有能な人材以外は会社に残れない時代が鮮明になりつつあります。
東京商工リサーチが大規模な早期退職者募集を行う企業の状況を発表していますが、2019年の上場企業の早期退職や希望退職の対象が9月末時点で既に27社・計1万342人を超えたことを発表しています。
年間1万人を超えたのは6年ぶりということで、リーマン・ショック後の2010年を超える状況となっているようです。
また1,000人規模の早期退職募集を行う企業は今年上半期だけでも3社あり、つい最近ではセブン&アイ・ホールディングスが3,000人規模のリストラを発表しており、雇用情勢はかなり悪化していることがわかります。
いわゆる肩たたきによる退職というものは想像以上に進んでいることを、あらためて実感させられます。
景気の悪い企業では人員削減やむなしという見方も強いわけですが、本邦企業の内部留保額が日本のGDPと同額もしくはそれを上回るほどになっている状況下で、高収益企業でも人員削減が断行されようとしているのは、正直驚き以外の何物でもない状況です。
これまでバブル入社組で過剰に雇用してしまった45歳以上が一斉に人員削減の対象として狙われてきている話は、当メルマガでも何回かご紹介しています。
足元では、とうとう40歳から早期退職のターゲットになりはじめているようで、日本の企業はすでに新卒から20年会社にはいられないところになってきていることがわかります。
すでに雇用した人材を再教育したり配置転換して新たに戦略的に業務につかせることができない企業が続出していることを示唆する状況といえるのでしょう。
これまで企業のリストラや早期退職というのは、それぞれ個別に様々な事情を抱えていたことから一括りのトレンドとして語ることはできなかったわけですが、どうも現実はそうではなくなっている点に非常に危機感を感じます。
企業に足りないケイパビリティは、ジョブローテーションでは補えない時代
これまでの時代はITなどで大きく企業が変化するということになっても、企業内で新たな能力をもった人材を育てるということが多くみられてきました。
しかし、足元の中途採用は、社内に存在しないケイパビリティを補うことが中心になっており、一般企業におけるきわめてコモディティ化している人材のほかの企業への労働移動がかなり難しいことが目立ちはじめています。
たとえば自動車業界であれば、既存の自動車の設計生産の知見をもつ者よりも、IoTやAIといったまったく業界内に存在しなかったようなケイパビリティが求められるわけですから、既存の業界経験というものがほとんど有効に機能しないという現実があるわけです。
またM&Aの加速により同業社に買収されるリスクも非常に高くなってきていますから、これまでのように自社内では際立った知見の存在でも、買収先では必ずしもそうではなくなるという評価激変の可能性が高まりつつあります。
大手企業の40歳からの早期退職などが顕在化するのはこうした企業の環境変化の現れであり、これからはサラリーマンが一生働き続けることがきわめて難しい時代になってきていることを痛感させられます。
これまで正規か非正規かという問題は労働市場でも大きな議論の対象となってきましたが、どうやら問題はそういうレベルではなくなっているようです。
つまり。正規雇用に入ったから一生安心ということは、全くなくなってしまったようです。
私は過去にビジネスコンサルタントをしていた経験から、昨今、クライアントだった方からも転職について相談を受けたり、職務記述書の書き方のアドバイスなどを求められることが多くなっている状況です。
実は、自分のやってきたことを紙にまとめてみますと、本当に特定企業の社内だけで通用することに時間をかけてきた人が多く、転職の難しさというものを感じる次第です。
65才以上でも働きたいと願う国民が多いという、安倍首相の大嘘
安倍首相は「国内の8割が65才を超えて働きたいと願っている」などと、かなり事実を歪めた所信表明演説をしています。
実際の継続労働意向の理由は経済上の理由が6割近くをあげており、決して働きたいから働こうとしているわけではないことが見えてきます。
しかも高齢者が働く場所というのは非常に限られており、仮に労働意欲があったとしても、その意欲に見合う対価が得られ、しかもこれまでの知見が活かせる職業を見つけることは、足元の40代の危機をみても絶望的な状況であることがわかります。
年金受給を遅らせたいがために発言していることはもはや明白ですが、実際の国民は一体ここからどうやって生き延びていくことを考えたらいいのか、途方に暮れる状況です。
結局、低賃金長時間労働力が欠如しているだけで、マクロでの人手不足は大嘘
巷では労働力不足が叫ばれています。
しかし、すでに40歳からの早期退職が猛烈に加速するご時世を見ていますと、人手不足がかなりウソであり、実際には低賃金で長時間、大した保険にも加入しないなかで働いてくれるような人材や、建設関係の労働力、介護にかかわる労働力などが圧倒的に不足しているだけであることがわかります。
そして、サラリーマン経験しかないようなごく一般の人たちが社会に出て働き、それなりの報酬を安定的に確保できる状況はまったく実現できていないことを痛感させられます。
こうした雇用の深刻度については、当時者として直面されている方がもっとも強く感じていることと思いますが、人によってはもはや絶望的な気分になっている方も多いのではないでしょうか。
巷では業務委託契約のUber Eatsが国内でも登場していますが、ややもすれば高齢者が背負子(しょいこ)に店屋物を届ける時代がもうほんのすぐそこまでやってきているようで、Uber Eatsではなく老婆イーツだったなどというシャレにならない光景を目にするのも時間の問題のようです。
そのくらい年金を受給できない高齢者が働く場所というのは見当たらない状況で、やがてコンビニも70才以上のアルバイト従業員が店頭を支えるようになるのも夢ではなさそうです。
FXを事業として成立させる方法はあるのか
このメルマガは社会の歪みを訴えるのが目的ではありませんので、あくまでFXという領域で何か収入の手助けになることができないかと考え始めています。
別にサロンを始めようとも思いませんし、具体的な売買法をシグナルにして配信しようとも思っているわけではありませんが、なんとか食べていかれるようにするにはどうしたらいいのかについては積極的な材料にすべきだと思い始めています。
今のところはサラリーマンの副業的な存在で利益を獲得されることを目指す方でも、将来的にはこれだけで食べていかれないかを真剣に考える方が今後ますます増えていくのではないかと思います。
さすがに億トレーダー養成講座とはいかないと思いますが、サラリーマンと同等もしくはそれよりも多少収入が増えるような取引の考え方といったものについても、これからは積極的に話題としてご提供していきたいと思っております。
微力ながら頑張りますので、引き続きご購読をよろしくお願いいたします。
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