総務省は17日、2011年10月1日現在の人口推計を発表した。総人口は1億2780万人で、前年と比べ25万9千人(0.2%)減。比較できる統計がある1950年以降、最大の下げ幅となった。総務省は少子高齢化に加え、昨年3月の東日本大震災で外国人の減少に拍車がかかったことが背景にあるとみている。
総務省によると、出生者数から死者数を引いた「自然増減」が過去最大の18万人減となり、少子高齢化が進んでいることが改めて裏付けられた。
また、入国者数から出国者数を引いた「社会増減」も7万9千人減り、このうち外国人がこれまでで最も多い5万1千人を占めた。外国人の減少は08年のリーマン・ショックによる世界不況の影響で続いていたが、東日本大震災があった11年は出国が相次ぎ、さらに減少傾向が強まった。残りの2万8千人は日本人だったが、出国の理由は分からないという。
震災で大きな被害を受けた岩手、宮城、福島の3県では、多数の死者が出たために出生者に対する死者の割合が前年と比べて上昇。県外への転出率も宮城と福島で大幅に増えた。その結果、福島はマイナス1.93%(3万9千人)、岩手と宮城も大きく減って同1.21%(1万6千人)、同0.91%(2万1千人)となった。これまでの都道府県別の最大下げ幅は1.14%だった。
3県のほか、37道府県でも人口が減った。これに対して、自然増が多かった沖縄や滋賀と、都市圏の東京や埼玉、福岡、愛知など計7都県では人口が増えた。国内の人口は05年に戦後初めて減少し、翌06〜08年はいったん増加に転じた。09年に減少したが、10年は再び増えていた。(太田泉生)