１人当たりＧＤＰ、世界１９位に後退＝貯蓄率は過去最低（０７年度国民経済計算）
時事ドットコム08/12/25
内閣府は２５日、日本経済の決算書に相当する２００７年度の国民経済計算を公表した。国民１人当たり名目ＧＤＰ（国内総生産）は０７年暦年ベースで世界１９位となり、０６年から順位を１つ落とした。００年には最高の３位だったが、０１年以降７年連続で順位を下げ、統計上比較が可能な８０年以降で最低となった。国際比較は、物価の影響を含む名目ＧＤＰをドル換算した数値を用いた。経済協力開発機構（ＯＥＣＤ）加盟３０カ国のうち、０７年はイタリアに抜かれ、先進７カ国（Ｇ７）で最下位に転落。ユーロ高の影響でドル換算ベースの欧州勢のＧＤＰがかさ上げされたほか、日本は名目成長率が物価の影響を除いた実質成長率を下回る「デフレ経済」だったことも響いた。日本の１人当たり名目ＧＤＰは３万４３２６ドル（１ドル＝１１７．７６円換算で４０３万９０００円）。ＧＤＰ総額は４兆３８５４億ドルとなり、米国に次ぐ２位を維持した。しかし、世界全体のＧＤＰに占める割合は８．１％と前年比０．９ポイント低下した。家計の所得から税金や社会保障費を差し引いた０７年度の可処分所得は、前年度比０．９％減の２９２兆６０００億円。株式配当や利子などの所得が減り、税金や社会保障費の負担が増加したことを反映した。所得に占める貯蓄率は可処分所得が減り、消費が伸びたため、２．２％と過去最低に落ち込んだ。国民所得（３７４兆８０００億円）に占める雇用者報酬の割合を示した労働分配率は、ほぼ横ばいの７０．９％だった。（2008/12/25-18:39）