第13回 朝食は取らないことが多く、昼食は通常15分未満。

男性労働者のなかには、家事にまともに参加していないだけでなく、食事もまともな時間にはとっていない人が多いようです。 連合総研の調査「第15 回勤労者短観」(2008 年4 月実施)によると、勤務日に朝食を必ず食べている割合は、男性の20代・男性30代では半分にすぎません。男性全体の平均でも67%にとどまっています。年齢を問わず週労働時間が「60 時間以上」の者も55%と低く、長時間労働は食事の取り方にも影を落としていることが窺われます。

朝食を家で取る場合でも、ゆっくり食べるというより、かっこむという人が多いのではないでしょうか。学会出張で池袋の駅近のホテルに泊まった朝に立ち寄ったレストランは、通勤途中のサラリーマンで賑っていました。それを見てとうとう朝食も外食の時代になったのかと思ったものです。

さきの調査によれば、昼食にかける時間が通常15 分未満(昼食を食べない場合を含む)の割合は、男性の40 代は49%、50 代では50%に達し、平均でも46%(女性は33%)にのぼっています。日本の「サラリーマン」の昼食時間の平均は10分少々だという説がありますが、それはウソではなさそうです。
 
 同じくさきの調査では、勤務日の夕食について、「家で調理した食事」「外食」「持ち帰り弁当や調理済みの惣菜」「インスタント食品」「その他」「夕食は食べない」のいずれが多いかを尋ねています。その結果、家で調理した食事がそれ以外より多い人の割合は、男性の30代は73%、40代は77%、全体の平均は81%となっています。

これはあまり意味のある質問ではありません。尋ねるなら、朝食同様に、家で夕食を「必ず食べる」「しばしば食べないことがある」「「ときどき食べないことがある」「食べないことのほうが多い」「いつも食べない」を選択肢にするべきでしょう。そのうえで、夕食を何時頃に取るかを聞くべきです。夕食はいうまでもなく夕方(日の沈む頃)の食事のことですが、平日は夕方に夕食を取る労働者は今では少なくなっています。時間帯からいえば、夜食の時刻に夕食を取らざるをえないのが実情ではないでしょうか。

これでは健康で文化的な生活とはとうてい言えません。

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