派遣法の抜本改正を 労政審 審議スタート 労組、厚労省前で訴え

 http://www.jcp.or.jp/akahata/aik07/2008-07-31/2008073105_01_0.html
 労働政策審議会の労働力需給制度部会で労働者派遣法改正の審議がスタートした三十
日、審議会の開かれる厚労省前で全労連と連合の組合員らがそれぞれ要請行動を行い、派
遣法の抜本改正を訴えました。

全労連

 全労連と労働法制中央連絡会は、「『登録型派遣の原則禁止』『みなし雇用制度の実
現』など労働者派遣法を抜本改正せよ!」の横断幕を宣伝カーにかかげました。
 労働法制中央連絡会の宮垣忠事務局長、自由法曹団の鷲見賢一郎弁護士、新日本婦人の
会の古田和子・男女平等部部長が「日雇い派遣禁止だけでは労働者保護にならない。登録
型派遣を禁止し、常用雇用を基本とすべきだ」「研究会報告は運動の成果だが、不十分
だ。偽装請負などの場合に派遣先企業が直接雇用する『みなし雇用』を実施すべきだ」と
訴えました。
 全労連労働法制闘争本部の生熊茂実本部長(全労連副議長)は、派遣労働者が正社員の
道を勝ち取った徳島の光洋シーリングテクノのたたかいをふりかえり、障害となってきた
派遣法を世論と運動で規制強化に転じさせる情勢が広がっていると強調。派遣法改正を日
本社会を変えていく転機にしようとのべました。

連合

 連合は「派遣労働者の均等待遇実現」などののぼり旗が並ぶなか、審議会部会の労働側
委員を激励し、送り出しました。
 古賀伸明事務局長は、一九九九年に派遣法の対象業務を自由化し、二〇〇三年に製造業
務まで解禁したと非難。厚労省の研究会報告では労働者保護の強化を伴って規制緩和を実
施したとしているが、「労働者保護の視点がないまま規制緩和がされてきたのが問題」と
のべ、労働者保護を小手先でなく、抜本強化するよう求めました。
 部会の労働者委員である長谷川裕子総合労働局長は、報告が日雇い派遣を禁止するとし
ながら例外を設けていることや、登録型派遣の問題点に言及していないこと、均等待遇も
担保されていないことなどを指摘。直接雇用みなし規定を盛り込ませたいとのべました。
 同じく労働者委員の市川佳子・JAM政策・政治グループ長は、規制緩和によって働く
ルールはずたずたにされているとのべ、改革していく責任が労働組合にあると訴えまし
た。
 「労働者派遣制度は臨時的・一時的なものという原点にたつべきだ」(自動車総連)
「労働者派遣は高度な専門業務など限定した制度に戻すべきだ」(情報労連)など激励の
発言が続きました。

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