新潟 遺児の訴えに涙 水道局パワハラ自死事件決起集会 (2009/2/17)

新潟 遺児の訴えに涙 水道局パワハラ自死事件決起集会

全国センター通信2020年4月1日4面
(発行:働くもののいのちと健康を守る全国センター)

 2007年、新潟市水道局の職員(当時38歳)が飛び降り自殺をしました。直属上司からのパワハラに苦しみぬいた結果でした。

 遺族のMさん(奥さん)は、4年もの歳月をかけ地方公務員災害補償基金支部審査会で、公務災害認定を勝ち取りました。そしてMさんは水道局へ謝罪と再発防止策などを求めました。しかし新潟市は全く応じる姿勢を示さず、それどころか水道局管理職が関係職員一人ひとりと会って、「内部調査Jを行い、「パワハラの事実はなかった」と強弁しています。そのためMさんは裁判を起こしました。裁判は途中から「和解協議Jもありましたが、遺族が納得できる内容とはならず、2019年9月で協議を打ち切り、裁判となりました。

 いの健新潟県センターでは、昨年6月の発足当初から全面的に支援をすることを決め活動しています。裁判所あての署名は約3500筆、「Mさんを支える会」会員は90人になりましたが、更に支援を広げるために2月17日の弁論期日に合わせて決起集会を開催しました(写真)。

 集会では弁護団(岩城穣・白神優理子・清水亮宏弁護士)より、裁判の進行状況について報告があり、原告挨拶では、被災当時l歳だった娘さんが、「もの心ついたときからパパはいませんでした。パパが上司からのパワハラで自殺してしまったと聞いたときはショックで涙が止まりませんでした。水道局が謝らずママを苦しませていると知り、私にできることはないかと考え、勇気を振り絞ってここに来ました。パパと一緒に遊んだり、温かい大きな手で抱きしめて欲しかった。水道局は謝らないならパパを帰して欲しいですjと声を震わせて訴えました。

 今後は1万筆の署名達成を目指して、いの健新潟県センターとしても全力で支援していきます。
(新潟センター 坂井希美子)

〔注〕原告弁護団の岩城穣弁護士はAsu-net共同代表、清水亮宏弁護士はAsu-net監事で、ともに中心メンバーです。

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□水道局パワハラ自殺 新潟市との和解、妻が拒否の意向 /新潟

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□にいがた記者日記 年末ワイド版/7 パワハラ自殺遺児の思い 「命はお金で買えない」=南茂芽育 /新潟
https://mainichi.jp/articles/20181228/ddl/k15/070/216000c
毎日新聞2018年12月28日 地方版

新潟県
「もし魔法が使えたら、パパが死ぬ1日前に戻って言いたいんです。明日は仕事休んで、行かないで−−」

 今年1年、上司からのいじめを苦に2007年に自殺した新潟市水道局勤務の男性(当時38歳)の遺族を取材した際、長女の望美さん(仮名、13歳)がふと漏らした言葉が胸に刺さった。

 男性の自殺は、当時の同僚の証言などにより、職場でパワーハラスメントを受けたことによるものだったとして11年、一般企業の労働災害に当たる公務災害に認定された。しかし市はその後の独自調査を基に「パワハラはなかった」と主張。賠償を巡って今も裁判で係争中だ。11月に掲載した記事では妻の訴えを中心としたが、取材の際、母を支えるように横に座る望美さんの姿がずっと心に残っていた。どことなく男性に目元が似ており、「お父さんに似てるね」と言うと、はにかみながらも満面の笑みを見せた。

 父が亡くなった時、まだ1歳だった望美さん。物心ついた頃から自分にはなぜ父がいないのか疑問に思っていた。小学校に入って少したった頃、母から「お父さんは職場で働き過ぎて亡くなったんだよ」と聞かされた。ショックだったが、女手一つで兄と自分を育ててくれている母の苦しげな顔に、詳細はそれ以上聞かなかった。代わりに勉強に精を出すようになった。「あの子は一人親だから駄目、なんて周りに言われたくなかったから」。…

 

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