<新型コロナ>WHO「危険性最高」 評価引き上げ 感染55カ国・地域に (2/29)

<新型コロナ>WHO「危険性最高」 評価引き上げ 感染55カ国・地域に
https://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2020022990135918.html
東京新聞 2020年2月29日 13時59分

【ジュネーブ=共同】世界保健機関(WHO)は二十八日(日本時間二十九日未明)、新型コロナウイルスによる肺炎(COVID(コビッド)19)の地域別の危険性評価で、世界全体と日本を含む中国周辺地域を「高い」から、中国と同じ最高レベルの「非常に高い」に引き上げた。ウイルス感染が世界各地に拡大し、死者・感染者数の増加に歯止めがかからないことから、世界的に流行していると認定した形だ。 

 中国を発端に韓国、イラン、イタリアなどで大規模感染が確認され、日本でも市中感染とみられる例が相次いでおり、終息の見通しが立たない現状に危機感を示し、各国に一層の警戒を呼び掛けた。事態は急速に変化しているが、WHOのテドロス事務局長は記者会見で、多くの国では大規模な市中感染は起きておらず「抑え込みは依然可能だ」と語った。

 WHOで緊急事態対応を統括するライアン氏は「危機が高まっている」と述べ、各国に感染拡大防止態勢の強化を訴えた。

 二十八日付のWHOの状況報告によると感染者は五十五カ国・地域の八万人以上に上った。

 中国では新規感染者が少なくなる傾向にあるが、感染は世界の五大陸(ユーラシア、アフリカ、北米、南米、オーストラリア)に波及。テドロス氏によると、イタリアに関連した感染者二十四人が十四カ国で、イランに関連した九十七人が十一カ国で確認された。中国以外の国からも感染者が「輸出」される事例が増え、世界的な危険性が高まったと認めざるを得なくなった。

 WHOはこれまで、世界各地の感染例は中国と比べると格段に数が少なく大半の感染経路も把握できているとしていた。

 WHOは一月三十日に国際保健規則に基づき、新型コロナウイルスの感染拡大が「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」に該当すると宣言。危険性評価は一月二十三日付のWHOの状況報告から掲載され(1)中国(2)中国周辺地域(3)世界全体−の区域で評価。これまで中国は「非常に高い」、世界全体と中国周辺地域は「高い」となっていた。

(東京新聞) 

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