県立大雇い止め 無効の判決 高知
https://www3.nhk.or.jp/lnews/kochi/20200318/8010007746.html
NHK News 2020年03月18日 12時42分
高知県立大学の契約職員だった男性が、おととし、雇用契約を更新されず雇い止めにされたとして雇用の確認を求めていた裁判で、高知地方裁判所は男性の訴えを認め、雇い止めは無効とする判決を言い渡しました。
この裁判は、高知県立大学で契約職員として災害看護の教育課程を立ち上げるプロジェクトに携わっていた高知市の40代の男性が、おととし3月に雇用契約を更新されず雇い止めにされたとして雇用の確認を求めていたものです。
おととし4月には5年を超えた契約職員などを期限のない雇用に転換するよう企業などに義務づける制度が始まりましたが、男性はその直前に解雇されていました。
17日の判決で高知地方裁判所の西村修裁判長は「プロジェクトが終了する1年前にあえて雇い止めしなければならない客観的な理由があったのかは疑問だ」と指摘しました。
そのうえで「法が適用される直前に雇い止めをするという、法を潜脱するかのようなことは是認することはできない」として、雇い止めは無効で、無期雇用に転換されているとして賃金と賞与を支払うよう命じました。
判決について原告の男性は「判決は当然の結果だ。大学からの熱心な勧誘を受け、大学に身をささげることを決心した。大学は1人の人間の生活をも平気で崩壊させた。真に正しい理念に基づき、体制を改めていくことを切に願っている」とコメントしています。
また高知県立大学は「判決内容を精査し対応を検討したい」とコメントしています。
高知県立大の雇い止め無効 有期契約職員、勝訴判決
https://www.kochinews.co.jp/article/353782/
高知新聞 2020.03.17 18:22
高知県立大(高知市)に有期契約職員として勤務していた男性が2018年3月に雇い止めされたのは不当だとして、雇用関係の確認などを求めた訴訟の判決で、高知地裁は17日、「雇い止めは無効」と判断し、雇用継続と未払い賃金などの支払いを命じた。
同じ企業などでの勤務が5年を超えれば無期雇用への変更を申請できる改正労働契約法の「無期転換ルール」が18年4月から適用され、男性側は「雇い止めはルールから逃れる意図だった」と主張していた。
西村修裁判長は「大学側は無期転換を強く意識していたと推認できる」と指摘した。
県立大は「判決内容を精査し対応を検討する」としている。
【関連情報】〔上記判決とは結論が逆の判断が2年前に出されていた。同じ被告大学の類似事例で、同じ裁判長の判断だが、どこが違うのか判決文を入手して比較する必要あり(W)〕
契約更新の上限、厳格判断 高知県立大雇い止め訴訟
https://www.roudou-kk.co.jp/member/5795/
共同通信 2018年3月6日
高知県立大(高知市)や大学後援会を雇い止めとなった元有期契約職員の2人が雇用関係の継続の確認を求めた訴訟で、請求を棄却した6日の高知地裁判決は、契約更新の上限を3年とした就業規則を厳格に解した。
同じ企業などでの勤務期間が5年を超えた有期契約職員が無期雇用に転換できる改正労働契約法18条の「無期転換ルール」は、施行5年の今春から本格的に開始。適用逃れの雇い止めが増加するとの指摘もあり、議論に一石を投じそうだ。
西村修裁判長は判決理由で、大学側が労使交渉の場で、2人の雇い止めには改正法の存在があると受け取れる発言をした点に言及したが、大学が有期の職員から正職員を主体とする職員構成に転換した経緯を重視。就業規則上も契約更新の上限が3年以内と明確にされており、直ちに18条の違反、逸脱に当たるとはいえないと判断した。
また、公募による再雇用も形式的なものではなく、2人の業務も他の人との代替性があり、再雇用への期待は高くなかったとして、有期職員が優先的に再雇用されるとした原告の主張を退けた。
大学側は判決を受け「発言は交渉の場で理解してもらうためのもので、真意は異なる。就業規則は改正法成立以前に施行され、雇い止めは無期転換ルール逃れではない」とコメントした。
判決によると、2人は2013年4月と7月から勤務し、事務や学生の進路指導を担当。年度末ごとに契約を2度更新し、16年3月に雇い止めとなった。
◎雇い止め、元有期職員敗訴 高知、無期転換逃れ争点
高知県立大(高知市)や大学後援会の有期雇用職員だった女性2人が2015年度末で雇い止めとなったのは、契約満了後の再雇用への期待に反した大学側の解雇権の乱用だとして、雇用関係が継続していることの確認を求めた訴訟の判決で、高知地裁(西村修裁判長)は6日、請求を棄却した。
2人は同じ企業などでの勤務期間が5年超となった有期契約職員が無期雇用に転換できる「無期転換ルール」を規定した改正労働契約法18条が施行された13年4月以降に契約し、大学側の雇い止めに無期転換を阻む意図があったかが争点だった。
原告側代理人や労働法の識者らによると、改正労契法18条を巡る司法判断の前例はないとみられる。施行5年の今年4月から無期転換ルールの本格的な適用開始を控え、判断が注目されていた。
訴状などによると、2人は雇用期間を「3年を超えない範囲」とした就業規則に基づき13年4月と7月から勤務し、事務や学生の進路指導を担当。年度末ごとに契約を2度更新し、16年3月に雇い止めとなった。
大学側に対し、従来は有期雇用の職員が優先的な再雇用の対象だったと指摘。同様の条件で再雇用され、1年ごとに契約を更新すれば今年4月と7月以降、改正法で無期転換の申し込み権が生じたため「雇い止めは法改正を意識した方針転換で、ルール逃れの意図があった」と主張していた。
大学側は、採用時に雇用期間の上限を丁寧に説明したとして「自動的に再雇用する状況ではない」と反論していた。
提供:共同通信社
(2018年3月6日)