先生の本音、広がる実名 「業務増えても畳まない」/「変形労働時間制に反対」
https://mainichi.jp/articles/20200323/ddm/041/100/057000c
毎日新聞2020年3月23日 東京朝刊
先生も大変なんです――。長時間労働が当たり前の「ブラック職場」と言われる学校現場の本音を、現役教員が実名で明かし始めた。組織のしがらみや世間の目がひときわ厳しい教育者の世界。何が教員たちを動かしたのだろうか。
福井県坂井市の市立小教諭、江澤隆輔さん(35)は3月、「先生も大変なんです――いまどきの学校と教師のホンネ」(岩波書店)を出版した。現場のリアルな実態を明かしながら、疑問点を明快に分析している。
例えば、英語、プログラミング、道徳など、学習指導要領が改定されるたびに新しい業務が増える一方で、畳む業務はない「ビルド・アンド・ビルド」。教育委員会の指導主事が参観する1コマの授業のために、教員が数十時間かけて指導案作りをするなど、関係者以外は知らない内幕も出てくる。