続々と声が上がる「就活セクハラ」への“NO!” 被害者は20代男性が最多 「女性だけ」の話ではない (12/4)

続々と声が上がる「就活セクハラ」への“NO!” 被害者は20代男性が最多 「女性だけ」の話ではない
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201912/4(水) 7:10配信 ITmedia ビジネスオンライン

続々と声が上がる「就活セクハラ」への“NO!” 被害者は20代男性が最多 「女性だけ」の話ではない
出所:Change.org公式Webサイト上「#就活ハラスメントをなくしてください!」

 企業に“選ばれる”立場だった求職者側が、これまで受けてきた不当な扱いに対して声を上げ始めている。顕著な例が、「セクハラ」だ。日本労働組合総連合会(連合)が発表した「仕事の世界におけるハラスメントに関する実態調査2019」では、就職活動(就活)中にセクハラを受けた人の割合は全体の10.5%にのぼる。内容は「性的な冗談やからかい」「性的な事実関係(性体験など)の質問」といったものが多かった。

【画像】「就活セクハラを受けた人」の分布図

 さまざまなキャンペーン活動や署名集めに活用されている「Change.org」上では、悩みを相談、共有できるサイトを運営するキュカ(東京都中央区)が2019年7月から「#就活ハラスメントをなくしてください!」というキャンペーンを開始。2019年12月3日17時時点で1万1437人が賛同している。

 同キャンペーンによると、就活をしている人を守るためのルールが日本にはほとんど存在しないという。セクハラに関しては、19年に「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律等の一部を改正する法律案(改正女性活躍推進法等)」が成立。男女雇用機会均等法などで、ハラスメント対策の強化がなされた。

 ただ、同法成立までの過程で、男女雇用機会均等法が労働法制であることから対象が労働者に限られることが議論に挙がっている。根本匠厚生労働省大臣(当時)からは、就活生やフリーランスに対しては指針などで必要な措置を定義し、実効性が上がるよう努力している、という答弁にとどまっている。

 こうした流れを受けて10月に厚労省が示した「職場におけるパワーハラスメントに関して雇用管理上講ずべき措置等に関する指針の素案」では、就活生に対して労働者と同様の方針を示すことが「望ましい」という表現にとどまっており、一部で批判が起こっている。

厚労省へ直接、要望や署名を提出
こうした背景を受けて「#就活ハラスメントをなくしてください!」は、11月12日、厚労省に対して要望や署名を提出。ハラスメント関係法の指針として、就活生へのハラスメントに関する文言を盛り込むことや、実態を把握して就活ハラスメントを撲滅する取り組みをすることなどを要望としてまとめている。

 他にも、学生側からのアクションは起こっている。東京都内でジェンダーに基づく暴力について勉強会を重ねている学生有志のネットワーク「SAY(Safe Campus Youth Network)」は11月18日、「実効性ある『就活セクハラ』対策を求める大学生からの緊急声明」としてレポートを発表。厚労省が示した指針案への不満や就活セクハラが起こる背景に関する考察が内容に盛り込まれている。

 筆者が考えるに、「セクハラ=女性が受けるもの」という考えが強いことが、社会的なアクションを起こすことへの1つの妨げなのではないだろうか。しかし、その考えは誤っている。記事冒頭で引用した連合の調査では、就活中にセクハラを受けた人が最も多いセグメントは「20代男性」だ。より実効性のある制度づくりに向け、男性側ももっと当事者意識を持ち、解決策を見つけていきたい。

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