新型コロナQ&A 第2弾 医療どうなる くらし・雇用は

医療崩壊防ぐには?
 Q 都市部を中心に新型コロナの患者を受け入れるベッドが足りないという話を聞きます。現場も大変で医療崩壊を心配する声もありますが…。

 A 新型コロナの感染者が都市部を中心に急増し、各地で院内感染も発生するなか、医療現場の負担が限界点を超え、医療崩壊が起こる危険性が高まっています。日本医師会が「医療危機的状況宣言」を発し、政府の専門家会議が「今日明日にでも抜本的な対策を講ずるべき」と断じる非常事態です。

 ところが、政府は、感染患者を受け入れるための病床の確保、人材の配置、治療に必要な機材の調達などに、いまだまともな財政支援を行っていません。日本共産党は、医療崩壊をくい止めるための抜本的予算措置を政府に求めています。

 医療体制の確保に必要な経費は全額国が補償することを明確にし、病床確保や医師・看護師配置への財政措置を早急に行うことが必要です。医療用マスク、ゴーグル、防護服、人工呼吸器などの供給を国の責任で進めることも求められます。

 入院の必要がない軽症の感染者は、宿泊・療養施設を基本にして対応することとし、そのためにホテルなどを借り上げた場合の費用も国が負担するのが当然です。必要な医療スタッフなどの配置も必要です。

 院内感染を防ぐためにも、新型コロナ患者を専門に治療する病院と、一般患者に対応する病院との役割分担を明確にし、それぞれに手厚い支援を行うことが重要です。

 急性期病床を減らすため、400を超える公立・公的医療機関を再編統合するという計画は、ただちに凍結・撤回するべきです。

自粛と補償セットとは?
 Q 共産党は「政府が自粛を要請するなら補償と一体で」と主張していると聞きました。どういうことですか?

 A 新型コロナの感染拡大を抑えるには、「密閉・密集・密接」を避け、各種行事の自粛を要請するなど、市民に行動の変容を求めることが必要となります。しかし、それに伴う収入減や負担増への補償がなければ、要請の効果は限られたものにとどまり、感染防止の実効性も担保されません。そもそも、国の自粛要請によって生じた損失を、国の責任で補填(ほてん)するのは当然です。憲法29条3項は「私有財産は、正当な補償の下に、これを公共のために用ひることができる」と規定しており、感染拡大防止という公共のために起きた損失を政府が補償するのは当然です。

 イギリスでは、新型コロナ対策として、労働者、自営業者、フリーランスの人を対象に、所得の8割を補償する措置がとられています。ドイツでは、10人未満の小規模事業所に180万円、個人事業主やフリーランスの人に108万円を一括支給し、経営を守る仕組みが採用されています。

 日本共産党は、▽緊急にすべての国民を対象に1人10万円の給付金を急いで支給する、▽非正規雇用やフリーランスを含め、賃金・収入の8割以上を補償する手だてをとる、▽自粛要請の影響を受けている中小企業・事業者に、家賃・水光熱費など固定費の補償や、税・社会保険料の減免を行う、▽イベント中止などに伴うキャンセル料・必要経費を補填する――などの政策を提案しています。(写真)人通りがまばらな東京・新宿駅南口=4日午後

自治体に1兆円、効果は?
 Q 自治体に1兆円規模の交付金が出ると聞きましたが、どんな効果が期待されるのですか?

 A 政府と自民党が、3日に合意した新型コロナ感染拡大を受けた経済対策の一つです。交付金は自治体の判断で使えるもので、地域の実情にそった助成が期待されます。

 この問題では、日本共産党の小池晃書記局長が3月23日の参院予算委員会で、「(2008年の)リーマン・ショックのときに、地域の実情に応じて使える臨時交付金というのをやった」と紹介。「売り上げが激減している観光、宿泊、飲食、バスなどをはじめとする運輸、これは融資だけでは危機から救えない。交付金などによる直接助成が必要だ」と要求していました。安倍首相も「リーマンのときのさまざまな対応等も念頭に置きながら、場合によってはそれを上回る対応をしていきたい」と応じていました。

 大門実紀史参院議員も財政金融委(3月18日)で要求していました。今回の交付金はこうした要求が実ったものといえます。

現金給付の考え方は?
 Q 政府は所得減少を条件に1世帯あたり30万円を支給する方針だと聞きましたが、現金給付をどう考えたらいいのでしょう?

 A 新型コロナウイルスの感染拡大に伴う政府の自粛要請などの影響で、収入が激減している自営業者やフリーランス、イベント中止で活動困難に陥っているミュージシャンや劇団、業者など、いますぐ現金が必要な人がたくさんいます。家賃や水光熱費といった固定費は出ていくし、さまざまな必要経費は支払わなければならないからです。

 ですから共産党は、現金給付について、一刻も早く届けることが必要だと考えています。そのためには、政府が検討しているような条件付きの限定給付でなく、すべての国民を対象に1人10万円の給付金を急いで支給することです。高額所得者にも給付されるのが不公平というのであれば、新型コロナ終息後に所得税の増税など実質的に返納してもらう方式が合理的です。

 そして何より、1回きりの現金給付で終わりにせず、「自粛にともなう損失の補償」を、コロナ収束まで継続的に行うことを強く求めています。

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