新型コロナQ&A 第2弾 医療どうなる くらし・雇用は

医療
だるさ・頭痛 検査可能?
 Q だるさや頭痛、軽い咽頭痛があります。検査ができますか?

 A 何らかの症状があり、診察をした医師が“検査をするべきだ”と判断した場合は、すみやかな検査が必要です。

 PCR検査は3月6日から保険適用されましたが、その後も多くの場合、保健所などに置かれている「帰国者・接触者相談センター」にまず相談し、検査を実施する医療機関(帰国者・接触者外来)を紹介してもらうという形で検査が行われてきました(制度上は、直接「帰国者・接触者外来」で受け付けてもらうことや、かかりつけ医から紹介してもらうことも可能になりました)。こうした状況のもと、「相談センター」に相談をし、「帰国者・接触者外来」に行けた人は5・3%、実際に検査を受けられた人は4・0%にとどまっています(2月1日~3月31日累計)。政府は“1日9000件の検査能力がある”と言っていますが、実際の件数は1日3000件程度です。日本の検査件数が少なすぎることは、日本医師会や海外の研究者も問題視しています。

 日本共産党は、患者の重篤化を防ぐためにも、医師が必要と判断する人は迅速に検査ができるようにすることを求めています。そのため、「相談センター」をまず経由するというやり方を見直すこと、検査を行う医療機関・研究機関に財政支援を行うこと、血液を使った簡易な検査キット(抗体検査法)を早期に導入すること――などを提起しています。

同居者陽性どうすれば?
 Q 同居している家族が陽性になりました。どうしたらいいですか?

 A 新型コロナウイルスに感染しても、8割の人は軽症・無症状ですむとされています。これまで、新型コロナへの感染が確認された人は、無症状や軽症の人を含め、感染症指定医療機関にある感染症病床に隔離され、入院治療を受けてきました。しかし、感染者が急増するなか、政府は医療崩壊を防ぐため、軽症・無症状の感染者については、医師の判断で、自宅療養か、宿泊施設での療養を行う方針を打ち出しました。

 政府は、宿泊施設での療養を求める対象を、同居家族に高齢者や医療従事者がいる人などとしていますが、日本共産党は、軽症者の対応は宿泊・療養施設を基本とし、その確保と運営に必要となる経費は国が保障するべきだと主張しています。国の責任で軽症患者を受け入れる体制を確立し、個室と食事を提供しながら、健康状態のチェックや治療を行っていくことが必要です。

 もしも、感染者が自宅療養となった場合は、家族と部屋や日用品を別にし、常にマスクをつけ、家族と接触する場合は1メートル以上の距離をとるなど、感染拡大を防ぐ対応が求められます。

(写真)全員マスクをして室内遊びをする児童=都内の学童保育クラブ

「マスク2枚」意味ある?
 Q 「マスク2枚配布」って意味ある?

 A 安倍首相が打ち出した、「全世帯に布製マスクを2枚ずつ郵送」という措置に、多くの国民から驚きと失望の声があがっています。綿やガーゼを使った布製マスクについては、縫い目の穴が大きすぎて飛沫(ひまつ)を防ぐ効果が低いことや、洗って使うことでかえって衛生上の問題が生じることなどが指摘され、WHO(世界保健機関)の文書も、「布製マスクはいかなる状況のもとでも推奨できない」と断じています(マスクの布の間にキッチンペーパー等をはさむことで効果を上げることは可能)。

 マスク2枚を全世帯に郵送するのに必要な予算は250億円程度と見られます。国民は今、政府の自粛要請やコロナ不況による所得の激減にあえいでいます。マスク2枚配布に、「税金の使い方が違う」という声が上がるのは当然です。

治療薬や簡易検査は?
 Q 治療薬や簡易検査は?

 A 新型コロナ感染症の治療法の開発に、世界の研究者が全力をあげています。ワクチンの開発には1年以上の時間がかかる見通しですが、治療薬をめぐっては、新型インフルエンザの治療薬アビガン、急性膵炎(すいえん)の治療薬フサン、マラリアの治療薬ヒドロシキクロロキンなど、既存の医薬品が新型コロナ感染症にも有効性を持つという報告が出てきています。これらの医薬品は、すでに医療現場で患者に投与されてきたものです。副作用に注意しながら、こうした既存薬を活用することを含め、有効な治療法のすみやかな開発と実用化が求められます。

 検査をめぐっても、血液中の免疫から感染の有無を検査する、抗体検査法の早期活用が関係者から要望されています。この検査は、感染が疑われる人から少量の血液を採取して行うもので、PCR検査のように医療従事者が、かくたんなどの飛沫(ひまつ)を浴びる危険性がありません。現時点で感染しているかどうかの判断は難しいとされていますが、過去に感染し、抗体ができている人を検出することが可能であり、地域でどれだけ感染が広がっているかの指標にはなると言われています。イギリスでは、政府が350万キットを注文しました。

 今回の新型ウイルスは、人類が発見した7番目のコロナウイルスですが、1~4番目のコロナウイルスは現在、通常の風邪のウイルスとして多くの人が免疫を持っています。5番目のサーズ、6番目のマーズは一時猛威をふるいましたが、一定期間で流行は終息しました。今回の新型コロナも、時間はかかっても必ず終息するものです。

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