民主党:労働者派遣法改正案、提出を延期…野党の共闘優先

    民主党は、格差是正のために日雇い派遣を原則禁止する労働者派遣法改正案について、6日に予定していた国会提出を急きょ延期した。法案をまとめた政策責任者は、4日に提出された政府案に対案を示して与党との修正協議に臨む考えだったが、共産、社民、国民新の野党3党がより厳しい規制を求めたためだ。党執行部の「野党共闘優先」の判断が優先した形となった。
 「(提出延期は)現場サイドよりも、国対関係、野党共闘でどう納得して進んでいくかということだった」。6日、党労働問題作業チームの細川律夫座長代理は、法案提出を想定して国会内でセットしていた会見が急きょ延期報告の場となり、無念の表情を浮かべた。
 提出延期が決まったのは会見の1時間前。山岡賢次国対委員長ら執行部が「他の野党3党が7日に3党案作成に向け協議する」と聞きつけ、「野党内で別々の案を出したのでは共闘にひびが入る」と「待った」をかけた。
 民主党は4月、日雇いを含む2カ月以内の派遣労働を禁止した改正案を作成。通常国会での提出を目指したが、他の野党3党が「製造業などの業種への派遣を禁止すべきだ」と反対し、見送った。細川氏らはその後、社民党との協議を踏まえ、派遣先での直接雇用の「みなし規定」を付け加えるなど譲歩したが、製造業などへの派遣禁止では折り合えなかった。
 労働問題作業チームの一人は「実務者で話し合っても仕方ない。あとは党の上の方で話してほしい」と語った。【小山由宇】   (毎日新聞11月7日朝刊)

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