働き方ネット大阪 第11回つどい

働き方ネット大阪 第11回つどい
なくせ!官製ワーキングプア

 国や地方自治体においても非正規で働く労働者が急増し、「官製ワーキングプア」の存在が大きな社会問題になっています。
非常勤職員・臨時職員と呼ばれる人々は、自治労連の調査によればおよそ60万人とも言われ、職務領域は、保育、公民館・図書館、病院、介護、学校、地下鉄、市・区役所の相談窓口、年金や税の徴収業務など、私たちの身近に存在している公共サービス全般に及んでいます。これらの人々は、地方公務員法や労働基準法やパートタイム労働法が適用されない「無法地帯」に置かれ、公務労働者として住民サービスを提供しているという「誇り」さえ打ち砕かれるほど、劣悪な労働条件のもとにあります(「直接雇用」の官製ワーキングプア)。
 また、近年では「市場化テスト法」や「指定管理者制度」の導入によって、コスト削減の名のもとに国・地方自治体の業務が民営化・民間委託されています。事業の多くが営利企業による競争入札に委ねられるために、委託料金がどんどん切り下げられ、そこで働く労働者の賃金が生活保護基準以下、最低賃金以下という違法状態に置かれることも少なくありません。しかし、業務委託や請負のかたちをとっているために、賃金やその他の労働条件さえ明らかになっていません(「間接雇用」の官製ワーキングプア)。
このように、住民の生活や権利を守るはずの国や自治体が、直接・間接に住民を貧困の淵に追いやり、ワーキングプアを生み出しているのです。私たちは公共部門で働く仲間たちのために、安易で意図的な公務員叩きに対して警鐘を鳴らすとともに、公務労働者の人間らしいまともな働き方を市民の側から行政に訴えていく必要があるのではないでしょうか。
 そこで、今回の働き方ネット大阪第11回つどいでは、「なくせ!官製ワーキングプア」をテーマに、後藤道夫氏(都留文科大学教授)による基調講演、川西玲子氏(自治労連前副委員長)の現状報告と、これを受けたリレートークをつうじて、公務労働と非正規雇用問題をどう考えるかについて議論したいと思います。ぜひご参加ください。

 日   時: 2010年4月2日(水)午後6時30分〜8時30分
  場   所: エルおおさか南館ホール/参加費: 500円(資料代)
                    京阪・地下鉄谷町線 天満橋駅より西へ300m、北浜駅より東へ500m
  基調講演: 現代日本の貧困と非正規雇用
                             後藤道夫氏(都留文科大学教授)
  現状報告: 官製ワーキングプアと自治体の役割
                             川西玲子氏(自治労連前副委員長)
 リレートーク:  ?国土交通省の奈良国道事務所 Tさん
          ?大阪市の学童保育指導員 長谷博之さん
                        ?大阪市立クラフトパーク講師 青野広治さん

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