最低賃金改正にかかわる情報です

全労連の情報です。

中賃目安の情勢 〜使側、強硬姿勢を崩さず!
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今年度の中賃目安改定審議は、当初予定の27日の目安小委でも、労使の溝が
埋まらず、審議日程が延びていることは、すでにお知らせしたとおりです。
地方最賃審議会の日程は、当初予定にそって組まれていましたから、各地とも、
日程の再調整に追われています。

今のところは、8月2日の目安小委員会で着地点を確認し、8月4日が答申日となる
可能性が高いのではないか、と言われています。
それにしても、新しい地域別最賃の発効は、10月1日は困難で、10月中旬以降となる
こと必至の状況です。

最終場面にきても、使用者側の引き上げに抵抗する姿勢は緩まず、その強硬さ
については、関係筋からも「予想外」などといった声が漏れています。
6月初頭には、政府を仲立ちとして、財界代表も「全国最賃800円、全国平均最賃
1000円を」という目標に合意していました。にもかかわらず、妥協の余地なく、引き上げる
状況にないと言い続けているのは、何を意味しているのでしょうか?

使用者側の審議会における言い分は;
1)新成長戦略の目標値は、経済成長の実現が大前提。先に、経済成長があって、
賃上げは後からだ。内閣府の予測値が実質2.6%だというが、予測ではだめだ。
2)中小零細の賃金はマイナス。最賃だけあげるのはおかしい。
3)生活保護とのかい離解消が、審議会が優先するべき当面の課題だ。
・・・等というものです。
しかし、各論点とも、労側だけでなく、公益委員によっても論破されてきています。

使用者側の姿勢が固い理由は、やはり、政治情勢の変化をみているから、
といえそうです。

参院選を経て、政権政党の方向性のなさ、姿勢のぐらつきが、ますます顕著となっています。
これをみて、財界・使用者側は、「最賃引き上げの“政治の意思”はもろくなっている。
つっぱねてしまえば、民主党政権は折れてくる」というように、見切っている・・・
と言われています。

一方、労側は、「3年で800円」の主張をしつつ、今年度の着地点については、
ある程度の幅はもたせるから、歩み寄りをするようにと呼びかけています。
こうなると、「労使の中をとる」公益委員の落とし所は、ズルズルと、使用者側に引きずられ
ていく可能性があります。

 

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