西濃運輸(本社・岐阜県大垣市)の神奈川県内の支店に事務職で勤めていた男性(当時23歳)が自殺したのはサービス残業を強いられての過労が原因として、両親は8日、同社に約8123万円の賠償を求め横浜地裁に提訴した。男性は今年4月、労働基準監督署から過労自殺として労災認定を受けている。
訴状によると、男性は07年3月に入社し荷物管理やクレーム対応などを担当。うつ病を患い、会社への不満をつづった遺書を残して10年12月31日に自殺した。両親は、男性がタイムカードを実際の帰宅より早い時間に押させられて日常的にサービス残業を強制されたと主張。退職願を3回提出したが受理を拒まれたとしている。労基署は自殺した月の時間外労働を約98時間と認定していた。
男性の母親は「労災認定後も会社は一貫してサービス残業はないとの対応。改善して墓前で謝ってほしい」と話した。【宗岡敬介】
西濃運輸広報課の話 訴状を確認していないためコメントできない。