しんぶん赤旗 2014年2月10日
舛添氏が当選
(写真)記者からの質問に応える宇都宮健児氏=9日、東京都新宿区(省略)
徳洲会からの裏献金疑惑で猪瀬直樹前都知事が辞任したことにともなう東京都知事選挙は9日、投開票され日本弁護士連合会前会長の宇都宮健児氏(67)=日本共産党、社民党など推薦=は、当選にはいたりませんでしたが、各メディアの出口調査で約2割を獲得するなど大健闘しました。当選は、元厚生労働相の舛添要一氏(65)=自民党都連、公明党都本部推薦=でした。
宇都宮氏は、「舛添氏 当選確実」との報道を受けた後、新宿区の選挙事務所で支援者ら約30人とともに記者会見。「前回の選挙と比べたら運動の輪が広がり、大きく前進したと思う」と述べ、「選挙政策で掲げた福祉の充実、脱原発、原発事故の被災者支援、憲法改悪に反対する運動を続けていきたい」と語りました。
支援者からも「たたかいはこれからで終わりじゃない。民主主義を勝ち取るたたかいはこれからだ」(品川区の女性)との声があがりました。
宇都宮氏は、選挙戦で「大型開発優先の石原・猪瀬都政から、福祉・暮らし第一の都政への転換」と「安倍政権の暴走政治ストップ」を訴え、無党派層や民主党などの他党支持層からも一定の支持を得て追い上げました。このなかで、原発をゼロにするために行動し、福島原発事故の被災者支援に積極的にとりくむと訴えてきました。
幅広い市民、団体、政党が共同して、宇都宮氏とともにたたかい、特に若い人たちの創意を生かした奮闘が注目を集めました。
舛添氏は、自民党主導で業界団体締め付けと国会・地方議員総動員の徹底した組織戦を展開。街頭演説では福祉・暮らしにかかわる具体的な政策はほとんど語らず、安倍政権との一体ぶりを強調し、大企業のための規制緩和と大型開発優先の石原・猪瀬都政を継承する姿勢を示しました。
元首相の細川護熙(もりひろ)氏(76)=民主、生活、結いの各党が支援=は、小泉純一郎元首相とともに「脱原発」を訴えましたが、「福祉などは誰がやっても同じ」と他の争点ではほとんど政策を示すことができませんでした。