労働者の実質賃金、1年4カ月連続減 10月の勤労統計

朝日デジタル 2014年12月2日

 10月の毎月勤労統計調査(速報)によると、パートを含む労働者1人が受けとった現金給与総額(基本給や残業代、ボーナスなどの合計)は、前年の同じ月より0・5%多い平均26万7935円だった。8カ月連続で改善したが、賃金から物価の伸びを差し引いた実質賃金指数は2・8%減り、昨年7月以来、1年4カ月続けて減少した。

 厚生労働省が2日発表した。4月の消費税率8%への引き上げや円安による輸入物価の上昇もあって、賃金の伸びが物価上昇のペースに追いついていない。実質賃金指数は7月、夏の賞与が増えて減少幅が1%台に縮んだが、8月以降は3%前後のマイナスで推移している。

 現金給与総額の増加幅も8月以降は減り続けている。10月の内訳をみると、正社員など一般労働者は0・6%増えたが、パートは0・3%減。時給で働くパートの労働時間が減ったことが要因という。厚労省は「消費増税後に需要が減って企業が生産を控えているうえ、人手不足を背景に人材を確保しやすい短時間勤務での採用を増やしているため」とみている。(平井恵美)

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