長時間労働 労働局監督指導、1164事業所が法令違反 過労死ライン超は582

 毎日新聞2017年9月29日 大阪版

https://mainichi.jp/articles/20170929/ddl/k27/040/357000c

大阪労働局は28日、長時間労働が疑われるとして、2016年度に府内の1788事業所に監督指導を実施したところ、65%に当たる1164事業所が労働基準関係法令に違反し、うち582事業所で過労死ラインの月80時間を超える残業が行われていたと発表した。法令違反があった事業所には、是正勧告を行ったという。監督指導の結果を公表するのは初めて。

法令違反で最も多かったのが、労使協定で定めた限度時間を超える残業など違法な時間外労働で、752事業所に達した。また、229事業所は、医師の面接指導など過重労働による健康障害防止措置を実施せず、102事業所で賃金不払い残業があった。

業種別では、運輸交通業や製造業で違反が多かった。

月80時間を超える時間外・休日労働が行われた疑いや、長時間労働による過労死などに関する労災請求があった場合、労働基準監督署が監督指導を実施する。違反が是正されない場合、刑事事件として捜査に着手する。

法令違反が多かったことを受けて、大阪労働局は「深刻な状況と受け止めている。長時間労働の是正に向けて、引き続き取り組んでいきたい」としている。【根本毅】

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