産経新聞 オリンパス社員、不当な配置転換の体験記…隠し録音も生々しく

SankeiBiz 2012.4.19 16:42
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上司の不正を社内窓口に通報したために不当な配置転換を受けたとして、損害賠償などを求めて勤務先のオリンパスを訴え、東京高裁で逆転勝訴した社員、浜田正晴さん(51)が、体験をつづった著作「オリンパスの闇と闘い続けて」を出版した。浜田さんは「損失隠しで注目されるオリンパスの内情を知ってもらい、労使のあり方についても考えてみてほしい」と話している。

高裁判決などによると、浜田さんは平成19年6月、上司が取引先社員の引き抜きを行っていると社内窓口に通報したところ、通報内容を上司らに伝えられ、専門外の部署に異動を命じられた。

本は237ページで、光文社から発行。17日に出版された。損失隠し事件に関与し金融商品取引法違反罪で起訴された当時の会長、菊川剛被告(71)に直接窮状を訴えたメールや、配転後の上司との面談でパワハラを受けたとする「隠し録音」の内容も掲載、会社側との詳細なやり取りを生々しく描いている。

浜田さんは22年1月の1審東京地裁で敗訴したが、昨年8月の2審東京高裁は「配転は人事権の乱用にあたる」などとして同社と上司1人に計220万円の支払いを命じた。同社は判決を不服として最高裁に上告しているが、東京弁護士会も浜田さんの人権救済申し立てに対し、配転を「重大な人権侵害にあたる」と判断、同社に最も重い措置の「警告」を行っている。

オリンパスをめぐっては、損失隠し問題を内部告発したマイケル・ウッドフォード元社長(51)も今月12日、社長就任から解任、告発の経緯を描いた手記「解任」を早川書房から出版している。

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