岐阜新聞 2012年12月23日
◆外国人従業員「家や育児、どうすれば」
ソニーが子会社工場「美濃加茂サイト」(美濃加茂市本郷町)の来年3月末閉鎖を発表してから2カ月が過ぎた。すでに契約が打ち切られた非正規従業員もおり、日を追うごとに不安が高まっている。22日、「ソニー閉鎖問題を考えるつどい」が同市太田町の生涯学習センターであり、従業員らが「労働者の生活を守ってほしい」と訴えた。
全日本金属情報機器労働組合愛知地方本部などが呼び掛け、従業員や地域住民ら約100人が参加した。組合にはソニー班が組織され、工場で働く非正規従業員ら100人以上が加入。そのほとんどが外国人という。
集会では、これまでの経緯が説明され、派遣として働く三村美穂さん(41)=可児市=が「正規、非正規と区別することなく、同じ労働者として生活を守ってほしい。工場閉鎖まで時間がない。再就職や住居、ローンといった労働者の抱える問題を見失わないようにしたい」と呼び掛けた。
妻や子ども3人と美濃加茂市で暮らすブラジル人従業員、伊達フェルナンドさん(31)は「ローンを組んで家も建てた。子どもの学校のこともあり、これからもこの地域で生活していきたいと思っている」と話している。
組合は11月、雇用確保などを求める要求書をソニー側や派遣・請負会社に提出したが、ソニー側は「回答する立場にない」と返答。組合は、話し合いの場を設けるよう再び申し入れるという。