ワシントン(CNN) 米国防総省は16日までに、昨年自殺によって死亡した兵士は現役と予備兵を合わせて349人だったと発表した。この数字は集計が始まった2001年以降で最多。米軍兵士の自殺は、当局の予防策にもかかわらず増加の一途をたどっている。
このうち239人は自殺と断定された。残る110人については、自殺の可能性が高いとして調査が進められている。自殺者と自殺によるとみられる死者の合計は、11年が301人、10年が298人だった。
組織別にみると陸軍が最も多く、前年の166人から182人に増加。続いて海軍が60人(前年52人)、空軍が59人(同51人)、海兵隊が48人(同32人)だった。
国防総省は長年にわたり、自殺の恐れがある兵士を見つけてカウンセリングなどを実施する予防策に取り組んできた。陸軍や海軍では、ストレスに負けないレジリエンス(回復力)を育てるための教育にも力を入れている。
ただ専門家によると、戦地への派遣と自殺リスクに直接のつながりはないとの説もあり、有効な対策は確立されていない。