大手企業に「追い出し部屋」と呼ばれる部署が次々とできている問題で、厚生労働省は29日、すでに調べた5社のほかに、大手3社を調査する方針を決めた。違法な「退職強要」がないかを確認する。
新たに調べるのは、化粧品訪問販売のノエビア、精密機器メーカーのセイコーインスツル、電機メーカーの東芝の3社。同様の部署があることを、朝日新聞が28日の朝刊で報じた。部署の目的や業務について、人事担当者らから任意で聞き取り調査をする。
田村憲久厚労相はこの日、パナソニックなど5社への「先行調査」の結果も公表した。連日の長時間におよぶ面談で社員に退職を促すなどの行為は確認できなかったとして、「明らかに違法であったとはいえない」とした。ただ、社員側には「接触が難しい」(厚労省労働基準局)として調査していないという。調査結果は、「退職強要の有無等に関する調査」との題で、厚労省のウェブサイトにも掲載した。
また田村厚労相は、社員にしつこく退職を迫れば民法の「不法行為」にあたるとして、5社に注意を促したことも明らかにした。今後の調査のなかで、同様の部署の広がりが明確になれば、部署を設置した企業数の調査も検討する