連合の2013年春闘決起集会で気勢を上げる古賀伸明会長(中央)ら=6日午後、東京都千代田区の日比谷公会堂
連合は6日、東京都内で2013年春闘の中央総決起集会を開き、闘争開始を宣言した。古賀伸明会長は「賃金デフレを放置したまま経済がデフレから抜け出すことは困難」と強調。減り続ける賃金を底上げして消費を回復させることがデフレ脱却には不可欠だと訴えた。
賃金の増額は、デフレ脱却を掲げる安倍晋三首相も重視している。5日の経済財政諮問会議でも「業績が改善している企業には、報酬引き上げなどを通じて所得増加につながるよう協力をお願いする」と述べた。
古賀会長は安倍政権の姿勢を踏まえ、「政府がデフレ脱却政策を推進していこうとするときに、経営者団体が賃金を上げないというメッセージを発信するのは問題」と指摘。賃上げに否定的な経団連を批判した。
ただ、最近の円安や株高もいつまで続くか見えないだけに、企業は固定費の恒常的な増加につながる賃上げには慎重だ。富士重工業の高橋充専務は6日の決算発表の席上、「個々の期間業績の上下変動には賞与の水準で報いるのが適切。まだベースアップを論議する段階ではない」と基本給引き上げには消極的な立場を示した。