朝日新聞 2013/03/05
【小松隆次郎】解雇の真の理由は、環太平洋経済連携協定(TPP)の反対集会に出なかったことだ――。徳之島徳洲会病院(鹿児島県)の元事務局長が不当に解雇されたと訴えた訴訟の判決で、東京地裁(西村康一郎裁判官)は5日、こんな指摘をした。そのうえで解雇を無効と認め、未払い賃金など計約850万円を支払うよう医療法人徳洲会(大阪市)に命じた。
徳洲会では、自民党衆院議員の徳田毅氏が昨年12月に国土交通兼復興政務官に就任(2月に辞任)するまで理事を務めていた。元事務局長は「毅氏が中心となって開いたTPPの反対集会に参加しなかったため、解雇された」と訴えた。
判決は、2011年12月の解雇前、元事務局長が徳洲会関係者から集会に欠席したことを非難されていた経緯などから、「毅氏の意向に従わず、反対集会に参加しなかったことが解雇の真の動機だと推認できる」と述べた。
判決について、徳洲会は「弁護士に対応を一任している」としている。