トヨタ自動車は22日、定年後の再雇用制度のひとつとして、工場の車両生産ラインで労働時間を半分に短縮する「ハーフタイム勤務」を試験的に導入することを明らかにした。7月から一部の工場で1年間実施し、他工場に拡大するかどうか検討する。希望者に対して65歳までの雇用継続を義務付ける改正高年齢者雇用安定法が4月に施行されることに対応し、高年齢者が働きやすい環境を整える。ハーフタイム制度はこれまでも一部で実施していたが、車両生産ラインで導入するのは初めて。
トヨタは現在も60歳以上の社員について再雇用している。4月以降は条件に満たない社員も清掃や緑化作業などの軽作業ができる環境を整え、希望すれば再雇用する。給与は事務職やライン従事者で現役時の約半分、軽作業従事者で4分の1を支給する方針だ。
生産部門で働く技能職では今年4月から14年3月までに約700人が定年を迎えるが、このうち約7割が再雇用を希望しているという。新制度の導入で再雇用希望者が8割に増えると予想している。
また、再雇用を希望しない社員に対しても、無年金期間の不安を解消するため、新たな退職金や確定拠出年金、社内貯蓄制度の導入を検討している。【米川直己】