最賃以下の賃金是正 タクシー労働者勝訴 奈良地裁判決

しんぶん赤旗 2013年3月28日

 奈良市内のタクシー事業所「帝産キャブ奈良」(清算手続き中)に働く労働者30人が最低賃金を下回って働かされていた問題で、正規賃金に基づく差額の支払いと残業や夜間割り増し分の未払い賃金の支払いを求めていた訴訟の判決が26日、奈良地裁でありました。牧賢二裁判長は、原告側の主張をほぼ認め、原告全員に合計728万円余と遅延損害金の請求が認められる13人に労働基準法に基づく付加金250万円余の支払いを命じました。

 判決文では、2009年9月以前の請求権は時効で消滅したとのべたうえで、同年10月から11年8月までの間、奈良県最低賃金(時給679〜691円)を下回る賃金しか支払われていなかったことや、通常の勤務時間より2時間長い勤務形態の労働者への残業代と労働者側が要求した深夜勤務割増賃金、契約による待機時間も勤務時間として認定し、同社にこれら未払い賃金の支払いを命じました。

 同社は11年10月、会社を解散し、労働者を解雇したため、解雇の無効と解雇後の賃金支払いを求めて提訴した労働者もいます。現在同地裁で係争中です。

 判決をうけて、帝産キャブ奈良労働組合の原仁書記長は「会社解散、解雇で、みんな路頭にほうり出されながらも仲間はたたかってきました。会社は早く判決に従ってほしい」と話していました。

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