全労連非正規雇用労働者全国センター主催の「第21回 パート・派遣など非正規ではたらくなかまの全国交流集会INいわて」が1日、一関市大手町の一関文化センターで開幕した。日弁連前会長で反貧困ネットワーク代表の宇都宮健児弁護士の記念講演や全国各地から集まった関係者のリレートークなどを通じ、誰もが安心して働ける社会実現へ心を一つにした。
全国交流集会は東日本大震災被災地支援を兼ね、初めて一関で開催。県内外から約460人が参加した。開会行事に続き、宇都宮弁護士が「弁護士は見た!日本の貧困と政治」と題し講演した。
宇都宮弁護士は、安倍政権について「厚生労働省の思惑以上に、生活保護水準引き下げと制度改悪を進めている。特に子育て世代の生活保護世帯の影響が大きく、貧困の連鎖となる」と批判。全国で相次いでいる孤立死に触れ「生活保護を申請すれば死なずに済んだ。生活保護水準を引き下げ扶養義務を強化すれば保護申請を断念し、ますます孤立死が増える」と警鐘を鳴らした。
さらに「生活保護受給者が増えているのは、貧困と格差が広がっているから。生活保護水準は最低賃金とも連動するだけに、最低賃金を上げて労働条件を改善すべきなのに、受給者をバッシングするのはおかしい」と主張。「政治は弱い者に光を当てるべきだが、消費増税で貧困と格差はさらに広がる」と懸念を示した。一方、多重債務者を救う活動を通じ「被害者(債務者)は支援活動を通じ人間関係ができ、前向きに生きるエネルギーとなった。労働組合は人と人とのつながりができる重要な組織。泣き寝入りしている人に手を差し伸べられる運動をしてほしい」と期待した。
基調報告、震災被災地の実情報告、各地の労組関係者のリレートークに続き、▽解雇・雇い止め撤回▽最低賃金1000円以上▽無期雇用と均等待遇▽正社員が当たり前の社会−などを盛り込んだ集会アピールを採択。貧困と格差の是正、ディーセントワーク(働きがいのある人間らしい仕事)実現へ結束を誓い合った。 2日は午前9時から同センターなど市内4会場で分科会を開催。正午すぎから同センター周辺でアピール行進する。