しんぶん赤旗 2013年10月13日
労働者を使い捨てにする“ブラック企業”の被害を救済しようと弁護士らが全国28カ所で取り組んだ無料電話相談(5、8日)に、330件にのぼる相談が寄せられました。過重労働や残業代不払いといった違法行為が、全国で横行していることがあらためて明らかになりました。
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(写真)深刻な被害を聞く弁護士ら=8日、東京都内(省略)
無料電話相談は「ブラック企業被害全国一斉ホットライン」として、日本労働弁護団と7月に発足したブラック企業被害対策弁護団が共催。本部が置かれた東京都千代田区の事務所では、8日午後1時から8時まで計17人の弁護士が電話に応じました。
複数の問題で
もっとも多かった相談は、「賃金不払い」(132件)でした。このうち4分の3を「残業代の不払い」(91件)が占めました。
ほかに、「いじめ・嫌がらせ・差別」(64件)、過重労働などの「労働時間」(50件)、「解雇」(40件)の順に相談が多く寄せられました。
個別の相談内容をみると、過重労働と残業代不払い、過重労働とパワハラなど複数の問題に苦しむ人も多くいました。(表参照)
20代の被害も
日本労働弁護団によると、ブラック企業に焦点をあてた今回の電話相談では、常設の電話相談に比べ、長時間労働の被害相談が多い傾向がありました。また、普段は相談が少ない20代の被害も多く寄せられました。
日本労働弁護団の梅田和尊(かずたか)事務局次長・弁護士は、「労働者に過大なノルマを課して酷使し、使い捨てにするブラック企業の特徴がよく表れた結果になった。全国各地で労働法を無視した事例が頻発している」と指摘しています。
各地の相談に寄せられた被害の例(画像)