特定秘密保護法:報道「抑制される」 石破氏、発言後撤回

毎日新聞 2013年12月11日

自民党の石破茂幹事長(写真省略)

 自民党の石破茂幹事長は11日、日本記者クラブで記者会見し、特定秘密保護法に基づき指定された特定秘密を報道機関が報じた場合について、「常識的に考えて何らかの方法で抑制されることになる」と述べ、秘密の内容次第で記者が処罰される可能性を示唆した。しかし会見後にあらためて記者団の取材に応じ、「特定秘密を漏えいした公務員は罰せられるが、報道した当事者(記者)は処罰対象にならない」と述べ、発言を訂正して撤回した。

 石破氏は日本記者クラブで「わが国のみならず多くの国の国民の生命、財産に大きな影響を与えると知りながら、(特定秘密を)報じるのは何の目的かという問題だ」と報道の「抑制」を要請。さらに「秘密の入手は罰せられないが、発表(報道)は罰せられるのはおかしいと言われると、少し違う」とも述べた。

 しかし秘密保護法は「報道の自由」などに配慮する規定がある。石破氏の当初の発言は与党幹部としてこの規定への理解が不十分ととられてもやむを得ない内容だ。同法を巡っては、政権に不都合な秘密を報じた記者が「安全保障に支障が出た」との名目で捜査・逮捕されるという懸念も根強い。このため石破氏は、会見後に党本部で「報道には何の処罰もない。(死者が出たり国益を損ねたと批判されたりする)リスクを承知で報道するのは、報道機関の責任でなされることだ」と強調し、発言を撤回した。【高橋恵子】

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