和解:「産経職場いじめ」で元社員に解決金 大阪地裁

毎日新聞 2014年01月10日

 職場のいじめが原因で心的外傷後ストレス障害(PTSD)になったとして、産経新聞社の元社員の男性が同社などに計約5300万円の賠償を求めた訴訟で、産経側が200万円の解決金を払うことで大阪地裁(蒲田祐一裁判官)で和解した。和解は先月16日付。

 訴状によると、40代の男性は1991年に入社し、大阪府内の印刷工場で働いていた。94年ごろから、職場の先輩社員1人に、ヘルメット越しにスパナで殴られたほか、浴室で尿をかけられたり「害虫」「生ゴミ」と言われたりするなど、いじめを受けるようになった。

 男性は2009年10月にうつ病と診断されて休職し、12年4月に退職した。「会社はいじめを把握しながら放置した。いじめでPTSDになり、再就職もできない」と主張し、同年7月に提訴した。

 これに対し、産経側は、この先輩社員が浴室で一度だけ男性に尿をかける仕草をしたことは認めたものの、「いじめはなかった。職場の出来事とPTSDとの因果関係もない」と反論していた。

 男性の代理人と産経新聞大阪本社広報部はいずれも、取材に「何も答えられない」としている。【内田幸一】

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